JRAデアリングタクトだけじゃない! 「オークス」に宿命づけられた超良血スカイグルーヴがフローラS(G2)で確勝期す
今年の桜花賞(G1)はデアリングタクトが次元の違う走りを見せて、無敗の桜花賞馬に輝いた。エピファネイア産駒はこれまで重賞の勝利がなかったが、待望の初勝利をG1レースで達成したことは、種牡馬エピファネイアの可能性に期待を抱かせるには十分だったといえる。
デアリングタクトに重賞勝ちでは先を越されたが、今週の日曜東京のフローラS(G2)に出走を予定しているスカイグルーヴ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)もまた、活躍を期待されている1頭だ。
母のアドマイヤセプターはアドマイヤグルーヴ、エアグルーヴと連なっており、スカイグルーヴには日本を代表する牝系であるダイナカール一族の血が流れている。父エピファネイアの母はオークスを勝ったシーザリオであり、父母のいずれにもオークス馬の血が流れている。
オーナーであるシルクレーシングが、デビュー戦にC.ルメール騎手を配し、必勝態勢で臨んだことも、同馬に対する大きな期待の表れだったといえるだろう。
単勝1.4倍と圧倒的な支持を受けたデビュー戦は、スケールの大きさを感じさせる圧勝だった。流れが遅いと見るや、ルメール騎手は即座に逃げを選択した。直線残り400mでもまだ持ったまま、軽く促しただけで後続とはみるみる差が広がり、鞍上が後ろを振り返るほどの大楽勝となった。
誤算があったのは2走目の京成杯(G3)だ。デビュー戦と同様にスローに流れた展開を直線入り口で先頭に立ち、押し切りを計ったものの、外から飛んできたクリスタルブラックの強襲に不覚を取った。
だが、これにはルメール騎手が「突然外から勝ち馬が飛んできたから仕方がないね」と振り返ったように「不意打ち」のような交わされ方でもあり、力負けだったとはいえないだろう。
「とにかく馬っぷりがいいですよこの馬は。今でこそデアリングタクトの評価が高いですが、元々はスカイグルーヴの評価の方が上でした。桜花賞(G1)には目もくれずオークス1本というローテーションにも好感が持てますね。中山の京成杯では不覚を取りましたが、デビュー戦を圧勝した東京に戻るのは大歓迎でしょう。
フローラSには同じ牝系のレッドルレーヴも出走を予定しており、いずれもルメール騎手が騎乗していました。今回ルメール騎手がスカイグルーヴに騎乗するということは、この馬が1番手ということでしょう」(競馬記者)
父と母どちらにもオークス馬の血が流れるからには、オークス出走を宿命づけられているといえる血統でもある。
同じ父を持つデアリングタクトを倒し、その輝きを取り戻すためにもスカイグルーヴにとっては落とせない1戦となりそうだ。