JRA「敵は本能寺にあり?」池添謙一、全10場重賞制覇はおあずけ! 「227万馬券」の刺客はまさかの身内……
2月の開催から2か月ぶりとなった土曜京都は大波乱の幕開けだ。1Rで10番人気のヴェネットの勝利を皮切りに、京都のみでも単勝万馬券が4本、東京とあわせて1日5本の単勝万馬券は、これまでの1場2本、1日3本の最多レコードを大幅に更新する「珍記録」となった。
この激流はメインレースをも飲み込み、京都11R彦根S(3勝クラス)は1着に15番人気ラセット、3着に14番人気オールザゴーが入る波乱。3連単375万の配当はこの日の最高だった。
そしてこの日、唯一の重賞レースだった福島牝馬S(G3)もまた例外ではなかった。勝ち馬こそ3番人気フェアリーポルカだったが、2着に13番人気リープフラウミルヒ、3着に15番人気ランドネが入り、3連単は227万の大波乱となった。
ただ、ノーマークだった「15番人気」のランドネが激走した一方で、このレースで全10場重賞制覇にリーチをかけていた池添謙一騎手の「1番人気」エスポワールは、見せ場なく12着に惨敗を喫した。厩舎としても期待の大きかった馬のよもやの凡走は、角居厩舎にとっても大きなショックだったに違いない。
「ゲート裏で長く待たされ過ぎました。もう集中力が切れていました。今日はスタート前のアクシデントにやられましたね」と池添騎手もエスポワールがいつもの走りではなかったと振り返った。
どうやらエスポワールの凡走には、ランドネが蹄鉄を打ち替えるアクシデントでスタートが大きく遅れたことが影響していたようだ。「やんちゃ」だったオルフェーヴルが父のエスポワールだけに、待たされている間に闘争心が萎えてしまったのかもしれない。
「なんだか昨年の日本ダービー(G1)のようなレース結果になりましたね。あのときも角居厩舎の本命は1番人気のサートゥルナーリアでしたが、期待の大きかった同馬は4着に凡走し、優勝したのは同厩の12番人気の大穴ロジャーバローズでした。
奇しくも今日の福島牝馬Sでも期待されたエスポワールが凡走して、15番人気の大穴ランドネが好走しました。それにしても集中力を欠く原因を作った“犯人”が、他厩舎の馬ではなく自厩舎の馬だったことは痛恨でしたね。角居調教師もこれには複雑な気持ちでしょうね」(競馬記者)
「2頭出しは人気薄を狙え」という競馬の格言があるが、まさに格言通りの結果となった。
僚馬のランドネからまさかの不意打ちを食らった格好のエスポワールとしては、「敵は本能寺にあり」といったところだろうか。