JRA「6億円」アドマイヤビルゴに「大本命キラー」北村友一が迫る!? 京都新聞杯(G2)「急成長」マンオブスピリットはC.ルメールもベタ褒めの逸材
今週9日に京都競馬場で“ダービー最終便”の京都新聞杯(G2)が行なわれる。故・近藤利一氏の期待馬で話題の”6億円馬”アドマイヤビルゴ、スプリングS(G2)4着のファルコニアなど、有力馬が出走を予定している注目度の高い一戦だ。
そんな中、「逸材」と評判のマンオブスピリット(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も、日本ダービー出走に狙いを定めてきた。
本馬は中距離で活躍したフルーキーの弟で、キャリア3戦ながら秘めたポテンシャルの高さを随所に見せている。
昨秋10月のデビュー戦は先団に取りつき、脚を伸ばして5着。レース後「まだ馬体が緩い状態」と斉藤調教師が語っていたが、騎乗したA.シュタルケ騎手は「レースが分かっているようで、頭の良い馬だね」とマンオブスピリットを高く評価している。
重馬場の14頭立てという厳しい条件を考慮すれば、仕上がり途上のデビュー戦としては上々の内容といえるだろう。
そんなデビュー戦をステップに、さらなる進化を示したのが初勝利をあげた2戦目の未勝利戦だ。京都の芝1800mで出負けして行き脚がつかず、後ろからの競馬になったものの、道中しっかりと折り合い、最後の直線では大外から上がり最速34.6秒の末脚で突き抜けて完勝。
レース後、騎乗したC.スミヨン騎手が「切れないイメージがあったが、外に出したらグンと伸びた。溜めて差す形が合ってるようだ」とコメントするなど、前走から大きな変わり身を見せている。
そして、マンオブスピリットの評価を確固たるものにしたのが、前走3戦目のつばき賞(1勝クラス)だ。
2走目と同じ京都の芝1800m。課題のスタートを決めたマンオブスピリットだったが、鞍上のC.ルメール騎手はあえてポジションを後ろに下げて最後方から。すると最後の直線で上がり最速の末脚でライバルたちをごぼう抜きにして2連勝。
8頭立ての少頭数だったとはいえ、2着に破った相手は後の毎日杯(G3)3着馬のダノンアレーだ。レース後、ルメール騎手は「最後だけフルパワーを馬にお願いした」と語っており、まだ余裕があったことが窺える。
この時点でマンオブスピリットが“重賞級”の実力を秘めていることが明らかになった。
「まだキャリア3戦のマンオブスピリットですが、すべて外国人ジョッキーが騎乗している通り、陣営の期待度は非常に高い存在といえます。ルメール騎手を始め、騎乗したジョッキーたちの評価も上々。今回が重賞初挑戦になりますが、成長著しいだけに面白い存在になると思います」(競馬記者)
そんなマンオブスピリットの手綱を今回握るのが、先週の天皇賞・春(G1)で大仕事をした北村友一騎手だ。
人気薄の11番人気・スティッフェリオを2着に持ってきて、大本命のフィエールマンをハナ差まで追い詰めたジョッキーだけに、陣営としても心強いに違いない。
「今年の北村友騎手は、段々と重賞での成績が安定しつつあり、G1の高松宮記念、大阪杯、天皇賞・春と馬券に絡んでいます。春先には騎乗停止などもありましたが、一時のスランプを脱した感があるだけに楽しみです」(別の記者)
復調気配の北村友騎手の激に応え、成長著しいマンオブスピリットの末脚が炸裂する展開になれば、クラシック候補との呼び声高いアドマイヤビルゴに一泡吹かせられるか。大目標の日本ダービーへ、この馬もまた負けられない存在だ。