JRA名種牡馬フォーティナイナーが「大往生」。“死んだ種牡馬の仔は走る”オークス(G1)で急浮上はあの馬!

 18日、静内種馬場で功労馬として繫養されていたフォーティナイナー(牡35歳)が老衰のため死亡したことが明らかになった。日本軽種馬協会がホームページで発表している。

 静内種牡馬場の場長は「5月11日、35回目の誕生日を迎え、多くのファンにお祝いのメッセージをいただいたところでしたが、突然の別れとなり誠に残念です。このような世界的な名馬を日本に導入し、そして管理することが出来たことに感謝しています。心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントを発表している。

 米国生まれのフォーティナイナーは2歳時にG1・2 勝を含む6戦5勝の成績でエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出された。その後もトラヴァーズ SなどでG1を勝利し、通算成績19戦11勝で、引退後は米国にて供用を開始。種牡馬としては1996年に北米リーディングサイアーに輝いた。

 そして同年、日本に輸入され静内種馬場で供用を開始し、2007年の供用を最後に、種牡馬を引退して功労馬として余生を送っていた。

 国内の代表産駒では、マイネルセレクト、ユートピア、アドマイヤホープがG1勝利。またブルードメアサイアーとしては、皐月賞馬のエポカドーロを輩出している。国内産駒でのサイアーライン存続は厳しい状況だが、輸入された同産駒のエンドスウィープはサウスヴィグラス、スウェプトオーヴァーボード、アドマイヤムーンを輩出するなど、日本でも脈々と血は受け継がれている。

 このように日本競馬の発展に多大な影響を与えたフォーティナイナーの老衰による大往生は、残念ではあるが馬生を全うしたほっこりするニュースではないだろうか。

 ここで気になるのは「死んだ種牡馬の仔は走る」という競馬の格言があるように、フォーティナイナーの産駒ではないだろうか。しかし、2007年に種牡馬を引退しているため現役馬に同産駒は存在しない。

 だが、今週のオークス(G1)に登録している馬にフォーティナイナーの血を受け継ぐ馬が4頭いるため、ぜひ注目いただきたい。

 まず2戦2勝のアブレイズ(キズナ×エディン)は曾祖母の父がフォーティナイナーという血統。つぎに山吹賞(1勝クラス)を勝ったエヴァーガーデン(アイルハヴアナザー×モエレカトリーナ)は、父アイルハヴアナザーの曽祖父がフォーティナイナーにあたる直系の血統だ。

 3頭目はフローラS(G2)で4着のショウナンハレルヤ(キズナ×ショウナンガーデン)で、ショウナンガーデンの母父がエンドスウィープ。そして桜花賞(G1)で3着のスマイルカナ(ディープインパクト×エーシンクールディ)は、母父Distorted Humorがフォーティナイナー産駒である。

 この中でもイチ押しであるスマイルカナに注目いただきたい。

 桜花賞で3着だったが、フロック視されており実績に対して人気薄となることが予想される。だが、ディープインパクト産駒は過去10年のオークスで4勝しており、抜群の相性を誇っている。

 さらに他の3頭はフォーティナイナーが4代目にあたるのに対して、スマイルカナのみ3代目にあたる。そのため、最も血が濃いのはスマイルカナということも後押しにもなるだろう。

 賞金順ではショウナンハレルヤが除外になる可能性が高そうだが、オークスはフォーティナイナーゆかりの血統馬を馬券の候補にしてみるのもおもしろいかもしれない。

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