JRA「ダービーの重み」を経験してから11年……。 北村友一「2回目」の日本ダービー(G1)は「末脚堅実」マンオブスピリットでリベンジへ
31日、東京競馬場で3歳馬の頂点を決める競馬のビッグイベント・日本ダービー(G1)が開催される。先週のオークス(G1)でデアリングタクトが無敗の2冠を達成したことで、コントレイルにも無敗の2冠達成の期待が高まっている。
今年のダービーは青葉賞(G2)の勝ち馬オーソリティが回避を表明、京都新聞杯(G2)とプリンシパルS(L)は皐月賞(G1)の2桁着順馬が勝利したことで、皐月賞組の圧倒的有利が囁かれている。
そんな中、皐月賞組に待ったをかける候補としてマンオブスピリット(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)に注目したい。
新馬戦は5着に敗れたが、その後2連勝を飾って京都新聞杯に挑戦したマンオブスピリット。シルヴェリオが後続を引き離して逃げる展開の中、後方からレースを進めた。直線では外から追い込むも、ディープボンドにクビ差届かず2着に敗れた。
レース自体はハイペースだったが、シルヴェリオの単騎逃げだったことを考慮すると、5番手でレースを運んだ勝ち馬に有利な流れである。敗れはしたが、3戦連続となる上がり最速の末脚を繰り出し、距離延長をこなしたマンオブスピリットはダービーを視野に入れる上でいい経験になったに違いない。
また、2走前のつばき賞(1勝クラス)も目を見張る内容だ。1000m通過62秒9という重馬場を考慮してもスローな流れの中、最後方から追い込んで逃げ馬をきっちり捉えて勝利している。この末脚はダービーの舞台でも大きな武器となるだろう。
そしてコンビ2戦目となる北村友一騎手にも期待できそうだ。
昨年、G1・3勝を挙げて大ブレイクした北村友騎手だが、ダービーの騎乗は意外にも2回目。初騎乗はデビュー4年目の2009年で、シェーンヴァルトに騎乗し6着に敗れている。この時、「乗せてもらったことでダービーの重みが分かりました」と話し、次回の騎乗でのリベンジを誓っていた。だが、なかなか機会が訪れることがなかった……。
あれから11年、ついに2020年に久々のダービー参戦となったのだ。若手の有望株に過ぎなかった当時とは違い、G1ジョッキーとなった北村友騎手はダービーという大舞台でも物おじしない騎乗をするはずだ。きっと11年前(あのとき)のリベンジに気合十分だろう。
また、マンオブスピリットを管理する斉藤崇厩舎と北村友騎手とのコンビといえば、昨年の秋華賞(G1)を制したクロノジェネシスでお馴染みのコンビだ。同馬は今年も京都記念(G2)を勝利し、大阪杯(G1)でも2着に好走と、昨年に続いて好相性だ。
5月だけでも、斉藤崇厩舎はラウダシオンでNHKマイルC(G1)を優勝、北村友騎手は先週の平安S(G3)をオメガパフュームで制しており、いずれも好調だ。この勢いはダービーでも波乱を巻き起こすかもしれない。
11年ぶりの競馬の祭典で北村友騎手は、いったいどのような結果を残すことができるだろうか。一皮むけた手綱さばきを楽しみにしたい。