JRA好調M.デムーロに「低迷」の危機!? “苦渋の選択”を迫られたサートゥルナーリア、アドマイヤマーズの悪夢再び?
21日、東京競馬場で3歳世代にとって初のJRAダート重賞・ユニコーンS(G3)が開催される。過去にはルヴァンスレーヴ、ゴールドドリーム、カネヒキリといった名馬がここを勝って、G1馬へと駆け上がっていった。
今年も無敗馬・カフェファラオをはじめとした豪華メンバーが集結し、世代のトップを決めるのにふさわしいレースとなりそうだ。
一昨年のユニコーンSをルヴァンスレーヴで制したM.デムーロ騎手はデュードヴァン(牡3歳、美浦・加藤征弘厩舎)との初コンビで参戦する。
父デクラレーションオブウォー、母ジェラスキャット(母父タピット)という米国血統のデュードヴァン。これまで4戦3勝の成績だが、唯一の敗戦は芝重賞のアーリントンC(G3)のため、こちらもダートでは無敗の注目馬だ。
さらに前走の青竜S(OP)でダノンファスト、タガノビューティーといった好メンバーに勝利したことで評価は鰻登り。デビューからこれまでデュードヴァンには毎回違うジョッキーが騎乗してきており、今回はデムーロ騎手に白羽の矢が立った。
だが、その一方で、これまで主戦を務めてきたカフェファラオとはコンビ解消となってしまった。新馬戦で2着に10馬身差、3着には19馬身差という驚異のパフォーマンスを見せた世代トップの呼び声高い有力馬だけに、デムーロ騎手にとっては痛手だろう。
この状況はデムーロ騎手が重賞15勝(うちG1・4勝)を挙げる絶好調から低迷期に突入した2年前を彷彿とさせられる。
2018年12月、朝日杯FS(G1)をアドマイヤマーズ、ホープフルS(G1)をサートゥルナーリアでそれぞれ制したデムーロ騎手。だが、複数のお手馬を持つトップジョッキーゆえに頭が痛い悩みもついて回る。クラシックに進むにあたり、どちらか1頭の選択を迫られたのだ。
その結果、デムーロ騎手は断腸の思いでアドマイヤマーズを選択し、サートゥルナーリアはC.ルメール騎手とコンビ結成。翌年の春はサートゥルナーリアが皐月賞(G1)、アドマイヤマーズがNHKマイルC(G1)を制し、2頭は別の道を歩むこととなった。
だが、年末の香港マイル(G1)はC.スミヨン騎手がアドマイヤマーズの手綱を取り、続く安田記念(G1)では川田将雅騎手との新コンビ結成となってしまい、デムーロ騎手の手から離れていってしまった。
その一方で、サートゥルナーリアはアーモンドアイとのバッティングがない限り、ルメール騎手とのコンビが継続している。もし、デムーロ騎手がサートゥルナーリアとのコンビを継続していたら、全く違う状況になっていたのかもしれないのだ。
さらに19年はデムーロ騎手にとってJRA通年免許取得後、ワーストの重賞3勝に終わってしまった。サートゥルナーリアとのコンビ解消がデムーロ騎手の低迷の原因という見方もできるかもしれない。