JRAダートの怪物候補カフェファラオとレッチェバロックがユニコーンS(G3)で激突! 危ないのはどちらか
だが、他に分散しないこともあってかユニコーンS組のハイレベル化は顕著になっていることも事実だ。過去5年の勝ち馬を振り返ると錚々たる面々が揃っている。19年ワイドファラオ、18年ルヴァンスレーヴ、17年サイライズノヴァ、16年ゴールドドリーム、15年ノンコノユメといずれもG1レースの勝ち馬である。
それだけに、今年の勝ち馬も後のダートG1勝ち馬が出走している可能性が非常に高いといえるだろう。
注目されているのは兵庫チャンピオンC(G2)勝ちバーナードループをデビュー戦で10馬身突き放したカフェファラオと、大差勝ちしたデビュー戦に続き2戦目も9馬身差で圧勝したレッチェバロック(牝3、美浦・藤沢和雄厩舎)の対決だ。
2頭が出走した東京競馬場のレースの勝ち時計を使って強さを比較してみたい。
まず、カフェファラオの勝ったヒヤシンスS(L)は2着タガノビューティーとの差は0.2秒だが、スタートで出遅れ最後方からのひとマクリで快勝している。スムーズさを欠いた想定外の展開ながら、抜け出してからも手応えに余裕があった。これを考慮すると、着差以上の強さを見せたといえるだろう。勝ち時計は1分37秒7だった。
2着タガノビューティーは次走の青竜S(OP)をデュードヴァンから0.2秒差の3着に敗れた。このレースの勝ち時計はヒヤシンスSから大幅に縮まった1分36秒2だ。いずれも良での開催だったことからタガノビューティーが基準としてちょうどいいかもしれない。単純にタイム差で比較するとカフェファラオがデュードヴァンより少し上くらいの印象に落ち着く。
次にレッチェバロックはどうだろうか。デビュー戦のダート1400mを楽に先頭に立って2着に大差勝ちの1分25秒1。2戦目もまた同様に後続を突き放して9馬身差の1分23秒6の勝ち時計だった。追ったところもなく直線では鞍上のC.ルメール騎手が後ろを振り返る余裕を見せた状況で、勝ち時計を1秒5短縮した。
この時計と比較にちょうど良さそうなのが3連勝中のトップウイナーが制した欅S(OP)の1分23秒4だ。これに0.2秒差のレッチェバロックは十分な評価が可能である。
特筆すべきは欅Sの前半3F35秒5に対し、レッチェバロックの圧勝した1勝クラスは自らが34秒2のハイラップを刻んで作り出したレースだったことだ。2戦目で同馬に9馬身離された3着馬のタイキフラッシュが次走を3馬身半で圧勝していることも信頼の裏付けとなる。
カフェファラオがおそらく前々で競馬をしているであろうレッチェバロックを捉えるには、大幅な時計の短縮が要求されそうだ。2頭の比較ではゴール前の脚色からも、さらに時計を詰めることが出来そうなレッチェバロック優勢といえるかもしれない。