JRA宝塚記念(G1)上半期「驚異」の法則継続中!? ラッキーライラック、クロノジェネシスが「牝馬時代」確立に虎視眈々
28日、阪神競馬場で上半期最後のG1レース・宝塚記念(G1)が開催される。G1馬が8頭集結し、春のグランプリにふさわしいレースとなりそうだ。
今年はフェブラリーS(G1)を除いて、すべてのG1が無観客開催となった。最初の無観客G1となった高松宮記念(G1)は、1位入線のクリノガウディーが降着という波乱で幕を開けた。G1レースの1位入線馬の降着は史上4頭目である。
その後は、フィエールマンが史上5頭目となる天皇賞・春(G1)の連覇達成。3歳ではコントレイル、デアリングタクトが揃って無敗の2冠馬に輝くという「史上初」の偉業が成し遂げられた。
他にも、アーモンドアイが史上最多タイの芝G1・7勝目を挙げるなど、無観客ながらも様々な記録が誕生した。そしてもう一つ、意外な記録が誕生している。
まず、今年の古馬G1の勝ち馬を確認いただきたい。
フェブラリーS モズアスコット(牡6歳)
高松宮記念 モズスーパーフレア(牝5歳)
大阪杯 ラッキーライラック(牝5歳)
天皇賞・春 フィエールマン(牡5歳)
ヴィクトリアマイル アーモンドアイ(牝5歳)
安田記念 グランアレグリア(牝4歳)
牝馬限定のヴィクトリアマイルを除いても、牝馬が古馬G1・3勝で牡馬の勝ち星を上回っているのだ。安田記念終了時点で、牝馬が古馬G1を3勝しているのは史上初。まさに「牝馬時代の到来」といったところだ。
今週末の宝塚記念では記録を4勝に伸ばせるか注目が集まる。牡馬にとってはなんとしても、阻止したいところだろう。だが、牝馬にとって朗報となる記録達成を後押しするデータが存在するのだ。
実は、牡馬が勝利したフェブラリーSには1頭も牝馬が出走しておらず、天皇賞・春に出走した牝馬は自己条件が2勝クラスのメロディーレーンだけ。つまり重賞級の牝馬が出走した古馬G1は、牝馬の総なめ状態なのだ。
宝塚記念にはラッキーライラック、クロノジェネシスという2頭の有力牝馬が出走するため、この法則が当てはまれば確勝級といっても過言ではないだろう。
さらに宝塚記念の過去10年の牝馬の成績は【2,3,4,11】と好走傾向にあることも心強い。昨年も牝馬のリスグラシューが勝利しており、同馬が5馬身差の圧勝をした昨年の有馬記念(G1)が牝馬のG1での活躍の始まりでもある。
リスグラシューからの“バトン”をつなぐべく、ラッキーライラックとクロノジェネシスの2頭は激走必至だ。
果たして「牝馬の大躍進」はいつまで続くだろうか……。