JRA宝塚記念(G1)過去10年7勝「8枠最強説」は幻想!? 「本当に美味しい」のは馬券率50%の「神枠」に入ったアノ有力馬?
今週末に阪神競馬場で行われる春のグランプリ・宝塚記念(G1)の枠順が25日、決まった。
近年の宝塚記念の枠順には、ことさら高い注目が集まっている。何故なら8枠が「過去10年で7勝」という圧倒的な成績を収めているからだ。
「枠順が注目されるG1といえば、1枠が強い日本ダービーが有名ですが、近年の宝塚記念の8枠はそれ以上の結果を残しています。昨年も勝ったリスグラシュー、3着スワーヴリチャードが8枠でしたからね。
この背景には、阪神競馬場の馬場悪化が背景に挙げられます。3月、4月と2カ月間の開催を経て、1カ月だけ休んでまた6月に開催……梅雨時なので雨の中でレースが行われることも多く、毎年の最終週(今年は変則日程によって異なる)となる宝塚記念は、劣悪な馬場コンディションの中で行われることも珍しくありません。
それだけに、まだ馬場が痛み切っていない外側を走りやすい外枠が有利。ファンが宝塚記念の8枠に注目するのも当然でしょう」(競馬記者)
ちなみに今年「勝率70%」を誇る8枠に入ったのは16番クロノジェネシス、17番カデナ、18番ブラストワンピースの3頭。特に上位人気が予想されるクロノジェネシスとブラストワンピースには、より注目が集まることになりそうだ。
しかし、その一方で実は「今年、本当に美味しいのは8枠にあらず」という声があるから驚きだ。
そこで改めて、ここ10年の8枠優勝馬を並べてみると「12番」リスグラシュー、「11番」サトノクラウン、「16番」マリアライト、「16番」ラブリーデイ、「11番」ゴールドシップ、「10番」ゴールドシップ、「17番」ナカヤマフェスタと、同じ8枠でも馬番はバラバラだ。
今年の8枠にあたる16番から18番に絞ると、10年で3勝とやや物足りない数字になる。
「馬場的に宝塚記念で外枠が有利なことは確かですが、単純に同じ8枠でも、8頭立ての大外と18頭立ての大外では、まったく環境が異なりますからね。馬番だけをみれば16番から18番よりも、むしろ10番から12番といった、やや外目の枠の方が活躍馬が多いんですよ」(別の記者)
確かに馬番10番から12番に注目すれば、8枠だった4勝に加え、2012年にはオルフェーヴルが6枠11番で勝利。18頭立ての今年のように、あまり頭数が増えすぎた外枠はコーナーなどでロスが発生しやすいため、むしろ真ん中よりもやや外くらいの方が最適なのかもしれない。
ちなみに過去10年で3勝と最も多くの勝ち馬を出している「11番」にはラッキーライラックが入った。3着も2回と、50%で馬券に絡んでいるだけに今年狙うのは、むしろこの馬か。