JRA「阪神開催」の中京記念(G3)だからこそ狙える!? 夏競馬で好走のカギを握る「条件」に完全一致のアノ馬が急浮上
19日、阪神競馬場ではサマーマイルシリーズの第2弾・中京記念(G3)が開催される。第1弾の米子S(L)は、最軽量50キロのハンデを味方に3歳牝馬のスマイルカナが逃げ切り勝ちを収めた。例年なら中京記念は中京競馬場で行われるが、京都競馬場の改修の影響で、今年は阪神競馬場での代替開催となったことには注意が必要だ。
阪神開催で目立っていたのが、逃げ先行馬の前残りが多発したことである。阪神芝1600メートル条件だった米子Sのスマイルカナが逃げ切ったことも、馬場の影響が少なからずあっただろう。
特に顕著だったのはCBC賞(G3)で13番人気の低評価を覆したラブカンプーの逃げ切りだ。同馬が過去にG1で勝ち負けしていた実績のある実力馬だったとはいえ、近走は不振が続いていただけに、前が残りやすい馬場の恩恵は大きかっただろう。前にいる馬が穴をあける傾向は先週の開催でも続いていることから、中京記念でも逃げ馬に注目したい。
そこで、出走予定馬で前走逃げた馬を確認してみるとトロワゼトワル(牝5、栗東・安田隆行厩舎)ただ1頭が当て嵌まる。
休み明けの阪神牝馬S(G2)で15着と大敗を喫したが、これはプラス20キロの太目残りが敗因だろう。一度使われてマイナス16キロとシェイプアップした馬体で出走したヴィクトリアマイル(G1)は、果敢に先頭に立って見せ場十分の4着と変わり身を見せた。
トロワゼトワルにとって転機となったのは昨年秋の京成杯AH(G3)だろう。初めての逃げる競馬で、2着ディメンシオンに3馬身半の差をつけるレコード圧勝。かつて後方待機策で勝ち切れなかったカンパニーを、先行馬に脚質転換させてG1を勝たせた横山典弘騎手らしいマジックだったかもしれない。
次走ターコイズS(G3)ではハイペースで逃げたコントラチェックの2番手からレースを進めたが、以降の阪神牝馬S、ヴィクトリアマイルはいずれも逃げている。管理している安田隆行調教師は「ハナにはこだわってレースをしてもらいたい」と今回も逃げを匂わせた。
「前走のヴィクトリアマイルで好結果に導いた三浦騎手が継続して騎乗するのはプラスになりそうです。ロードカナロアの産駒で稍重までこなしているので、多少の道悪になっても割り引かなくてもいいでしょう。
魅力的なのは差し馬が強い傾向の中京記念が、今年は阪神で開催されることですね。前が残りやすい現在の馬場状態は逃げ馬には絶好といえます」(競馬記者)
「夏は牝馬」の格言を体現するかのように、CBC賞を13番人気でラブカンプーが優勝、プロキオンS(G3)を9番人気ヤマニンアンプリメが3着に好走した阪神開催。
穴をあけた2頭に共通しているのは「逃げ先行馬」、「牝馬」であること。
条件を満たしたトロワゼトワルもこれらに続きたいところだ。