JRA 矢作芳人厩舎エントシャイデンが本格化!? 中京記念(G3)激走しても驚けない!ノースヒルズの「世界的血脈」とは?
いよいよ本格化してきた前田幸治オーナー所有のエントシャイデン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)が、今週19日の中京記念(G3)に出走してくる。
昨年2月のオープン入り以降、結果が出なかったエントシャイデンが、今年3月の六甲S(L)3着をきっかけに、5月の安土城S(L)で初のリステッド勝ちを収めた。
中京記念を目標に調整されてきたエントシャイデンだが、このまま一気に重賞制覇を成し遂げてもおかしくない程の“バックボーン”が備わっている。
「エントシャイデンの全妹ブランボヌール、半弟ビアンフェはそれぞれ重賞2勝しているんですが、2頭の中に世界的な良血馬の血が流れています。
名種牡馬アンブライドルズソングの全妹・アジアンミーティアで、もちろんエントシャイデンの中にもその血は流れています。晩成とはいえ、いきなりここで激走しても驚けません」(競馬誌ライター)
祖母にあたるアジアンミーティアは、2001年にキーランドのセプテンバーセールで、前田幸治オーナーが代表のノースヒルズが購入した馬だ。
このアジアンミーティアは、アンブライドルズソングの全妹とあって、本来はドバイなど潤沢な資金を持つ世界のバイヤーが競り落とすような超良血馬だ。
だが、実はこのセール中、9月11日に世界同時多発テロが起こった。
セールが延期になったため、バイヤーたちはほとんど帰国してしまった。だが、ノースヒルズ関係者は現場に残り、この馬を購入することができた。この時のテロの影響で帰りの便が無くなり、日本に帰国するのに大変な思いをして手に入れた牝馬であったのだ。
この血を繋いで生産してきたノースヒルズも、エントシャイデンに重賞を獲らせたいところだろう。
「今回、騎乗する川須栄彦騎手は、前回からの継続騎乗となります。前回テン乗りでありながらも、馬をインに入れて脚を溜め、直線では外に出して、末脚を爆発させたのは見事でした。4コーナーで外に出す時もスムーズでしたし、エントシャイデンと相性が良いのかもしれませんね。今回は距離が200m伸びますが、この内容なら問題ないと思いますよ」(競馬記者)
妹、弟に負けじと何とかここまで辿り着いたエントシャイデン。この中京記念を勝って重賞初制覇を果たし、一気にサマーマイルシリーズの主役に躍り出たいところだ。