JRA武豊「一生懸命走ってくれた」ピンクカメハメハ4馬身差圧勝デビュー! もはやただの「珍名馬」ではない!?

 19日、日曜函館5R新馬戦(芝1800メートル)は先手を奪った武豊騎手の3番人気ピンクカメハメハ(牡2、栗東・森秀行厩舎)が直線で楽に抜け出した。2着にソディアックサイン、3着にはルミナスゲートが入った。

 父のリオンディーズではなく、祖父のキングカメハメハを馬名の一部に受け継いだ珍名馬が鮮やかにデビュー勝ちを飾った。

 9頭立ての外からスタートを決めると、そのまま先手を取ってレースを主導。マイペースでレースを進めたが、残り1000メートルあたりから、後方で折り合いを欠いていたゾディアックサインが一気にまくって急襲。

 しかし、一旦相手を先に行かせつつ、自身もペースアップ。直線入り口で先頭を奪い返すと4馬身突き放して独走を決めた。

 武豊騎手はレース後に「すごく前向きな馬。一生懸命に走ってくれた。1800メートルで勝てたのは大きい」と評価。次走が楽しみになるデビュー勝ちだった。

 馬名こそ「珍名馬」だが、血統的には父に朝日杯FS(G1)を優勝した新種牡馬リオンディーズ、G1・3勝馬スイープトウショウを出したタバサトウショウを母に持つ良血。母が25歳で出産した産駒でもあり、人間なら70~80歳くらいとかなりの高齢である。同馬は現在27歳で、昨年も今年も種付けをしていないことから、おそらくピンクカメハメハが最後の産駒となりそうだ。

「強い勝ち方でした。2着馬に4馬身、3着馬に3馬身半の差をつけたのですから圧勝といっていいでしょう。前向きな気性ながらしっかりと折り合って中距離をこなしたのは、クラシックでの活躍にも期待が持てそうです。リオンディーズに続いて朝日杯を親子制覇して、武豊騎手に朝日杯初勝利をプレゼントしてもらいたいですね」(競馬記者)

 武豊騎手がエアスピネルで挑んだ15年の朝日杯FSで、レジェンドのG1完全制覇を阻止したのが、M.デムーロ騎手とピンクカメハメハの父リオンディーズのコンビだった。このとき武豊騎手は「空気の読めないイタリア人がいたもんで……」と悔しがった。

 土曜の函館2歳S(G3)を単勝1.5倍の断然人気に支持されたモンファボリで、まさかの13着と大敗した武豊騎手。因縁の相手の初年度産駒が、今回は「空気を読んでくれた」のかもしれない。

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