JRA初ダートで「大差勝ち」! 初コンビC.ルメール騎手の手綱で期待の3歳馬が大暴れ! ダート戦線はアノ厩舎が明暗を握る!?
今年のクラシックはコントレイルとデアリングタクトがともに無敗の2冠馬に輝いた。3歳牡馬、牝馬の芝戦線において、この2頭が抜けた存在と言っても過言ではないだろう。
その一方、ダート戦線で「1強」と目されたのが、デビューから3連勝でユニコーンS(G3)を制したカフェファラオだ。これまで逃げ、差し、先行と自在性のあるレース運びで勝利していることから、展開不問の絶対的な存在に思われた。
だが、ジャパンダートダービー(G1)でまさかの7着に惨敗。オープンクラスでは未勝利だったダノンファラオが同レースを制したことで、3歳ダート戦線は混迷を極めることに……。そんな中、北の大地でダート界の新星が現れた。
19日、函館4R(3歳未勝利・ダート1700m)を制したハギノリュクス(牝3歳、栗東・松田国英厩舎)だ。
これまでの4戦、すべて芝レースを使われてきたハギノリュクス。今回、C.ルメール騎手との初コンビで、初のダートレース出走となった。鞍上人気するルメール騎手が騎乗したが、5番人気だったのは芝レースで一度も掲示板に入ることができなかったことが、評価を下げた要因かもしれない。
レースは後続を引き付けながらの逃げ。3コーナーを通過したあたりから、徐々に後続との差が開き始め、最後の直線を向いた時には約5馬身差がついていた。直線では差が開く一方で、最終的には「大差」をつけての勝利となった。勝ち時計は1分43秒6で、2着に2秒7をつける圧勝である。
実は、このタイムは先日のマリーンS(OP)を勝ったタイムフライヤーと同じ勝ち時計。さらに、過去30年の良馬場で行われた函館ダート1700mで8番目に速い記録である。これを上回っているのはすべてオープン競走のため、すでに勝ち時計はオープンクラスとも言えるだろう。
「444キロの馬体重でデビューしたハギノリュクスですが、3走目には428キロまで馬体を落としていました。しかし、前走は馬体重プラス30キロ、今回はさらに4キロプラスで462キロの馬体重まで成長しています。3歳夏でいよいよ本格化してきたのではないでしょうか。
また、ルメール騎手といえば、5歳のアーモンドアイや4歳のサートゥルナーリアといった有力馬がお手馬にいます。しかし、ダートのお手馬は6歳のモズアスコット、今年いっぱいで引退予定の7歳馬ゴールドドリームと高齢馬が目立ちます。そんな状況なので、期待が持てそうな3歳馬の出現は大きいのではないでしょうか」(競馬記者)
管理する松田調教師とルメール騎手のタッグといえば、マリーンCで復活勝利を挙げたタイムフライヤーと同じ。過去には、2013年のジャパンカップダート(G1)を制したベルシャザールもこのタッグによるものだ。
今後のルメール騎手のダート路線は松田厩舎なくして、語れないかもしれない。次走でハギノリュクスはいったいどんな走りを見せるか楽しみだ。