JRA武豊だけ唯一例外!? 横山家、岩田家を脅かす華麗なる一族「竜」「翼」が競馬界に旋風を巻き起こすか
競馬界において同じ苗字の騎手がいることは珍しくない。横山典、和、武や木幡育、巧、初など、「苗字+名前の一文字目」で表記されるのが基本だ。これは近親者が多い競馬界ならではのもの。他にも岩田、吉田、国分など多くの騎手が苗字+名前の表記となっている。
逆に、苗字が重複していないが、フルネームでの表記が基本となっているのが武豊騎手。2017年に弟の幸四郎騎手が調教師に転身したのに伴い、騎手の中で唯一の武姓になった。本来であれば、「武」の表記になるところだが、「新聞などでは慣れ親しんだ武豊表記のままでいけないか」と、日本騎手クラブを通じてJRAに依頼したという逸話がある。その結果、現在も武豊の表記で通っているのだ。
そんな苗字+名前の表記となる騎手が新たに2人増えることになった。
22日、JRAは岩崎翼騎手より旧姓使用の取止め申請があり、同日付で本名の和田翼に登録名が変更されることを発表した。これによりJRA所属ジョッキーの「和田」姓が2人となり、和田竜二騎手は「和田竜」、和田翼騎手は「和田翼」と表記されることになる。
今年デビュー8年目の和田翼騎手。デビュー1年目に中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞し、2年目には27勝を挙げる活躍となった。だが、その後なかなか勝ち星を伸ばすことができず、18年の七夕賞(G3)で落馬負傷しクモ膜下出血を起こしてしまう。
騎手復帰も危ぶまれるケガだったが、わずか2カ月半でのスピード復帰を果たした。しかし、その後の騎乗成績はなかなかパッとしていない。17年には28勝挙げたが、18年は10勝、19年は5勝、今年も3勝と苦戦しているのだ。
「この不調の原因は落馬負傷の影響以外に、減量騎手卒業も影響しているかもしれません。減量の恩恵による騎乗依頼がなくなったことにより、乗鞍も減っています。今後は実力で騎乗馬を勝ち取っていくしかありませんね。
また、同じ苗字の和田竜二騎手は叔父にあたります。関西の“宴会部長”の近親者ということで、後継者とも目される存在です。それだけに、本業でも実力を発揮して欲しいですね。登録名の変更を契機に活躍することが期待されます」(競馬記者)
過去には松永昌博元騎手(旧姓・舞原/現・調教師)、増沢由貴子元騎手(旧姓・牧原)なども現役時代に登録名を変更している。両者とも結婚を機に登録名を変更し、その後に松永昌元騎手は初の重賞制覇を成し遂げて、キャリアハイの勝ち星を記録。増沢由貴子元騎手は勝利することができなかったが、結婚後も8年間と息の長い騎乗を続けた。
なかなか調子が上がらない和田翼騎手も心機一転、ここからの巻き返しに期待したいところだ。すでに自身のTwitterの名称も変更しており、意気込み十分といったところかもしれない。
和田竜、和田翼の表記でレースに参戦するのは今週末の開催から。新たな表記となる「竜」と「翼」の活躍から目が離せない。