JRA クイーンS(G3)ジョブックコメンで21年ぶりの重賞制覇なるか!? 萩本欽一オーナーの窮地を救った「アノ馬」とは
同馬のオーナーは、“欽ちゃん”の愛称でお馴染みの萩本欽一氏だ。
馬主歴は今年で48年。ほぼ半世紀のオーナー生活の中、クラシック戦線で活躍した馬は、1977年に皐月賞(当時OP)8着、日本ダービー(当時重賞)9着だったパリアッチのみだ。
当時は馬主歴が浅かったが、簡単に日本ダービー出走を果たしたという強運だったが、その後は活躍馬に恵まれず、結果の出ない日々が続いた。
そんな萩本オーナーであるが、馬主活動を続けているおかげで、のちに所有馬に助けられるとは、夢にも思わなかっただろう。
「萩本オーナーは、90年代初頭に下火になった日本映画界を盛り上げようと映画製作に乗り出しました。ですが、2億円の資金を投じたにもかかわらず失敗に終わり、多額の負債を抱えることになります。
その頃、所有していたアンブラスモアという馬が、地道に力をつけていき、1998年から99年にかけて、オープンを3勝、北九州記念(G3)を2着、そして小倉記念(G3)で重賞制覇と一気に能力を開花させました。
その後も重賞を5戦して、2着1回、3着4回という活躍で、獲得賞金は3億円を超えました。それにより、萩本オーナーは金銭的にも大きく助けられたようです」(競馬誌ライター)
近年も所有馬が走らない為に馬主活動をやめようかと考え始めていたが、2018年にジョブックコメンが3歳重賞であるフェアリーS(G3)に出走し、じつに16年ぶりに所有馬を重賞に出走させることができた。
萩本オーナーが立ち行かなくなると、助けてくれる馬が現れるのは、本当に「運」を持ったオーナーである。
「この馬はここまで38戦してますが、まだ大敗が無く、2ケタ着順は一度もありません。掲示板に乗ったのは31回もあります。3勝クラスに昇級したばかりの身で、さらに1つ上の重賞レースとなれば壁が高いように感じますが、相手なりに走れる強みがあるので、ここでも楽しみはありそうです」(競馬記者)
堅実タイプのジョブックコメンだが、5歳という年齢から、そろそろ “善戦”よりも“勝ち星の量産”が欲しいところだ。
今のところクイーンSは除外の可能性があるものの、土曜の特別戦(STV賞)にも出走登録している。除外になったとしても武豊騎手が継続騎乗できる可能性があるので、こちらにまわっても勝負できると見ていいだろう。
萩本オーナーの初の重賞制覇のためにも、ジョブックコメンの激走に期待したいところだ。