JRA菊花賞(G1)の秘密兵器誕生!? 凱旋門賞馬ゴールデンホーン産駒が極悪馬場で3勝目! 3年前“キセキの軌跡”を辿れるか
9日(日)の新潟10R信濃川特別(2勝クラス)で、楽しみな3歳馬が勝ち名乗りを挙げた。その馬の名はターキッシュパレス(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)。ゴドルフィンが所有するアイルランド生産馬だ。
「不良」発表の馬場で行われた芝2000mのハンデ戦で、2番人気に支持されたターキッシュパレス。富田暁騎手を背に、道中は好位のイン4番手を追走。重い芝に脚を取られ、伸びあぐねる馬もいるなか、上がり2位タイの末脚を繰り出し、逃げたアドラータをゴール前しっかり捕らえた。
レース後の富田騎手のコメントからも高い将来性がうかがえる。
「こういう馬場が得意なのは分かっていたので、自信を持って乗りました。内を通ってもひるむことはありませんでした。3歳馬で一戦一戦力をつけています。まだ子供っぽいところがあって成長途上です。今後も楽しみです」
そのコメントからも本格化は、まだ先かもしれない。ただ、道悪という条件なら上のクラスでも通用する力はありそうだ。ターキッシュパレスは昨年11月に東京で行われた新馬戦でも不良馬場で快勝しており、道悪はお手の物。それもそのはず、父は2015年の凱旋門賞を制したゴールデンホーンで、ゴリゴリの欧州血統。力の要る馬場は大歓迎で、距離はもっと伸びたほうがいいだろう。
2000mを超える距離の経験はないが、馬の状態次第では菊花賞トライアルが次走の選択肢として浮上する可能性は高そうだ。
「父のゴールデンホーンは、3歳時にL.デットーリ騎手とのコンビで凱旋門賞を制した名馬です。JRAで登録された初年度産駒は3頭いますが、その1頭がターキッシュパレスです。馬場や距離の適性は未知数ですが、ターキッシュパレスに関しては、芝の長いところがベストではないでしょうか。スタミナは間違いなくあるので、一息入れて菊花賞を目標に進めてほしいですね」(競馬誌ライター)
ターキッシュパレスにとってモデルとすべき馬がいる。3年前に信濃川特別を勝ち、その後、菊花賞を制したキセキだ。古馬になってからも中長距離路線で好走し、今も現役で息の長い活躍をするスタミナ自慢の6歳馬である。
「ターキッシュパレスは、キセキに似て消耗戦で力を発揮するタイプ。今年の3歳世代にはコントレイルという化け物がいますが、道悪は皐月賞の稍重しか経験がありません。もしキセキが勝った菊花賞のような不良馬場で対決するようなことがあれば、アッと驚かせる場面があるかもしれませんよ」(同)
信濃川特別で改めて道悪適性を証明したターキッシュパレス。条件が整えば、今後も楽しみな存在だ。もし菊花賞が例年以上にスタミナを要するレースになれば、「秘密兵器」としてキセキと同じ軌跡を辿る可能性も出てくるはずだ。