JRAルメールも「ダートのアーモンドアイ」と絶賛した馬が無念の引退! ケンタッキーダービー挑戦の夢を産駒に託す
17日、G1サラブレッドクラブがホームページにて、ルヴァンスレーヴ(牡5、美浦・萩原清厩舎)の現役引退を発表した。
同クラブの公式Twitterによると、「彼らしい覇気に欠けるような状態で、本馬に対する種牡馬としての期待の高さも考慮し、このタイミングでの決断に至りました」と報告があり、今後については「社台スタリオンステーションへとスタッドインさせる方向で現在調整中」とのこと。
G1を4勝したかつてのダート最強馬が志半ばで無念の引退だ。
ルヴァンスレーヴは3歳で挑んだ18年のチャンピオンズC(G1)を古馬相手にレコード圧勝。ライバル馬に騎乗していたC.ルメール騎手は「ダートのアーモンドアイだ」と舌を巻いた。
また、17年の全日本2歳優駿を優勝した際には、コンビを組んだM.デムーロ騎手は同馬の圧倒的な強さに「勝ちたいね。行きたいね」と、ケンタッキーダービー挑戦の夢を語ったほどだった。
だが、翌年のフェブラリーS(G1)で復帰を前に脚部不安を発症。以降は復帰に向けて懸命な努力がなされたものの、順調な回復には至らず。長期休養を余儀なくされてしまった。
悲願の復帰となったのが今年5月のかしわ記念(G1)だ。約1年半ぶりのレースとあって大きな注目を集めたが、好位からズルズルと後退して5着に終わる。6月の帝王賞(G1)は、一度使われたことで復活の期待が高まったものの、見せ場なく10着と惨敗を喫した。
陣営が「彼らしい覇気に欠けるような状態」と評したのも無理はない。全盛期を知る者にとって、現在のルヴァンスレーヴの姿が本来のパフォーマンスとかけ離れていることは認めざるを得ないだろう。
種牡馬としての将来を思えば、このタイミングでの引退は無理もないのかもしれない。
「ルヴァンスレーヴはこれまで力負けでの敗戦がなかったように、順調ならば国内にとどまらず、海外での活躍も期待が出来た素質馬でした。往年の力を取り戻すことなく引退となったのは非常に残念です。
この馬のことを大好きだったデムーロ騎手にとっても悲しいお知らせとなってしまいました」(競馬記者)
同じく3歳で昨年のチャンピオンズCを制したクリソベリルとの対決も、帝王賞で実現したとはいえ、往年のルヴァンスレーヴの走りを思うと淋しい結果である。
種牡馬となった第2の馬生で、自身が幻に終わったケンタッキーダービー挑戦の夢を託せる産駒が誕生することに思いを馳せたい。