JRAラッキーライラック札幌記念(G2)で巻き返し期すもデータ的には不安あり!? 苦汁を飲まされた”アノ姉妹”が再び立ちはだかる
23日、札幌競馬場では札幌記念(G2)が開催される。秋のG1戦線を見据える上でも重要なステップの1つだろう。直前でマカヒキの回避が発表されたことは残念だが、今年の大阪杯(G1)を優勝したラッキーライラック(牝5、栗東・松永幹夫厩舎)にとっては相手関係が楽になったといえそうだ。
19日の最終追い切りも、札幌芝コースで6ハロン74秒8、ラスト1ハロン11秒7を馬なりでマークしたように、洋芝適性にも問題はなさそう。3番人気で6着に敗れた宝塚記念(G1)からの巻き返しの態勢は十分だ。
大阪杯では2着に下したクロノジェネシスから、2秒5もの大差をつけられるリベンジをされたグランプリだったが、大きな敗因は道悪適性の差だっただろう。突然降りだした豪雨により、阪神の芝は泥んこ馬場に急変。公式発表こそ稍重ではあったが、重い馬場に足を取られて能力を発揮できなかった馬も多かった。
この敗戦にはコンビを組んだM.デムーロ騎手も「スタートはいつも通り良くて、いいところを取れました。ただ、向正面から3角にかけて馬場が合わないと思ってムチを入れた」と敗因の一つとしてコメントしている。
幸い、今週末の札幌は晴れ模様の予報が出ているため、能力を発揮するには願ってもない好条件となりそうだ。
その一方で、札幌参戦が初となるラッキーライラックには、不安なデータもある。北海道開催におけるオルフェーヴル産駒の成績がいいとはいえないのである。以下は、今年の函館と札幌開催の芝1800m以上条件で行われたレースの種牡馬別成績(札幌記念出走予定馬限定)
ハービンジャー 4- 6- 2-39/51、勝率7.8%、連対率19.6%、複勝率23.5%
ハーツクライ 3- 4- 3-35/45、勝率6.7% 、連対率15.6%、複勝率22.2%
ゴールドシップ 3- 2- 7-15/27、勝率11.1% 、連対率18.5%、複勝率44.4%
オルフェーヴル 2- 3- 4-29/38、勝率5.3% 、連対率13.2%、複勝率23.7%
ジャスタウェイ 2- 0- 2- 8/12、勝率16.7% 、連対率16.7%、複勝率33.3%
キングズベスト 1- 0- 0- 6/ 7、勝率14.3% 、連対率14.3%、複勝率14.3%
キングカメハメハ 0- 4- 3-20/27、勝率0.0% 、連対率14.8%、複勝率25.9%
カンパニー 0- 1- 0- 0/ 1、勝率0.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%
ローエングリン 0- 0- 0- 4/ 4、勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
メイショウサムソン 0- 0- 0- 9/ 9、勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
同じステイゴールド系のゴールドシップ産駒が、少ない頭数で好成績を挙げているのに対して、ラッキラーライラックの父であるオルフェーヴルの成績は物足りない印象だ。
札幌記念は過去10年において1、2番人気馬が5勝をあげているように、人気馬の好走するレースといえる。だが、3勝を挙げている2番人気に対し、1番人気は2勝と後れを取っていることも気掛かりな材料である。
「昨年のこのレースをブラストワンピースが優勝したように、ハービンジャー産駒の相性は悪くありません。血統的にはディープインパクトが最も相性がよかったのですが、唯一の産駒だったマカヒキも回避になりました。
1番人気より2番人気が好走している傾向や、ハービンジャー産駒の成績からノームコアの方に魅力を感じますね。直接対決した昨年のヴィクトリアマイル(G1)でも負かしていますから」(競馬記者)
ノームコアはマイルG1であるヴィクトリアマイルの勝ち馬ではあるが、18年の紫苑S(G3・芝2000m)を圧勝した実績もある。半妹は宝塚記念、昨年の秋華賞(G1)を優勝しているクロノジェネシスだ。
不本意な結果に終わった宝塚記念の悪夢を払拭したいラッキーライラック陣営にとっては、非常に厄介な姉妹との連戦となりそうだ。