JRA武豊絶賛「高いスプリント能力」誇るダイアトニックが断然主役も、不安は重賞で大不振の鞍上!?【キーンランドC(G3)展望】
30日、札幌競馬場でキーンランドC(G3、芝1200m)が開催される。ダイアトニック(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)の1強ムードが漂う『サマースプリントシリーズ第5戦』を展望していこう。
デビューから16戦して崩れたのは、昨秋のマイルCS(G1)の10着だけというダイアトニック。2走前の高松宮記念(G1)は、初スプリントながら3着(4位入線)に好走した。直線の不利がなければ「突き抜けていた可能性が高かった」とさえ言われている。
武豊騎手と初めてコンビを組んだ前走の函館SS(G3)は、2着のダイメイフジに2馬身差をつける横綱相撲を見せた。58kgを背負っての快勝劇に武騎手は「高いスプリント能力を感じます」と絶賛。前走で洋芝適性も証明済み、断然人気に推されることは間違いないだろう。
19日(水)の1週前追い切りは、札幌芝コースで5F64秒4-ラスト12秒0を単走馬なりでマーク。重賞2連勝に向け、死角らしい死角は見当たらない。
強いて不安要素を挙げるなら、不振が続く鞍上の存在だろう。武騎手は今年、3月までに40勝を挙げる好スタートを切ったが、4月以降の約5か月間では32勝(16日現在)とその数は伸びていない。
特に重賞で結果を出せていないことは、不安材料の一つだ。
「今年は3月に弥生賞(G2)と毎日杯(G3)で重賞を2勝しましたが、その後は重賞15連敗を喫しました。6月にダイアトニックで函館SSを制し、連敗を止めましたが、その後また連敗中です。連敗中も3戦が1番人気でしたが、すべて馬券圏外に沈みました。馬券に絡んだのは宝塚記念(G1)のキセキ(2着)と、プロキオンS(G3)のヤマニンアンプリメ(3着)の2頭だけ。ずれも6番人気以下という伏兵での好走でした」(競馬誌ライター)
この夏重賞で勝ちきれない武騎手。“乗れていない”鞍上がダイアトニックにとって唯一の死角と言えるかもしれない。
ダイアトニックの対抗筆頭格がライトオンキュー(牡5歳、栗東・昆貢)だろう。2走前の函館SSはダイアトニックから0秒6差の6着に敗れたが、これは7か月の休養明けが大きかった。ひと叩きされた前走のUHB賞(OP)は、トップハンデをものともせず快勝している。
鞍上も、ライトオンキューを知り尽くしている古川吉洋騎手なら不安はないだろう。信頼するパートナーと叩き3戦目で一発逆転を狙う。
札幌1200mで3勝クラスを勝ち上がったばかりのアスタールビー(牝4歳、栗東・南井克巳厩舎)も侮れない。過去4戦は古川騎手が手綱を取ってきたが、吉田隼人騎手に乗り替わる予定だ。今夏、重賞で絶好調の吉田隼騎手を背に、自慢の先行力で上位進出を狙う。
ダイメイフジ(牡6歳、栗東・森田直行)は、前走の函館SSで逃げて2着に粘った。『サマージョッキーズシリーズ』で酒井学騎手と並び、首位に立つ菱田裕二騎手(※16日終了時)とのコンビで6歳にして悲願の重賞初制覇を狙う。
他は、UHB賞組から3頭の名前を挙げたい。