JRA新潟2歳S(G3)シュヴァリエローズに気がかりな点……!? 鞍上M.デムーロに「精神的不安」のワケ
キタサンブラックに続く厩舎の期待馬が再始動だ。
30日(日)新潟2歳S(G3)に、シュヴァリエローズ(牡2歳、栗東・清水久詞厩舎)が出走を予定している。
6月の阪神マイル戦でデビューした本馬だが、素質馬がズラッと出揃った新馬戦で堂々の1番人気。レースは人気2頭の一騎打ちとなったが、最後は内から盛り返したシュヴァリエローズがそのまま押し切った。
新馬戦らしいスローペースでレースは進み、直線だけの瞬発力勝負。好スタートから少し促していって2列目外を追走したシュヴァリエローズは、4コーナーで外から迫るブレイブライオンに合わせてスパートを開始。直線では一旦ブレイブライオンに交わされながらも、最後は差し返す勝負根性を見せた。
一度交わされたとはいえ、後続は引き離しているように切れ味も十分。スタート、二の脚も速く、レースセンスに溢れる内容には陣営も重賞制覇を期待するところだろう。
しかし、デビュー2連勝、そして初重賞を目指す新潟2歳Sを迎えるにあたって、シュヴァリエローズには、いくつかの不安要素が浮上している。まず、最も心配なのは騎乗予定のM.デムーロ騎手だ。
2017年には重賞18勝と、勝ちに勝ったデムーロ騎手だが、昨年は重賞3勝と「どん底」状態。今年も未だ4勝で、リーディングも11位と冴えない状態が続いている。
「昨年の4月上旬にエージェントを変更したデムーロ騎手ですが、これが完全に裏目に出てしまっていますね……。もちろん過去の成績が示すように、強い馬に乗れば能力を十二分に発揮できる騎手だとは思います。ただ、札幌記念(G2)で断然人気のラッキーライラックが3着に敗れていますし、先週は勝ち鞍「0」。精神的にキツい状態でしょうが、シュヴァリエローズで挽回してほしいですね」(競馬記者)
心配なのは、騎手だけではない。
それはシュヴァリエローズの「精神面の幼さ」だ。新馬戦のレース後「道中は子供っぽさが目立ちました」とは川田騎手のコメント。2歳馬らしい気難しい面をレースで出さないかという事も、今回のポイントとなりそうだ。
また、新馬戦での馬体重が438㎏と小柄な点もマイナスか。陣営は「カイバ食いは相変わらず細い」とコメントしており、今の暑い時期だけに当日の状態にも気を配りたいところではある。
兄のアジュールローズは、プリンシパルS(OP)を勝利し日本ダービー(G1)へ出走。厩舎としてはキタサンブラック以来のクラシック制覇へ期待がかかる。
陣営も「今回は重賞に挑戦するわけですし、調教を加減して通用するほど甘くはない」と、ここは全力投球の構え。来年のクラシックへ向けて、馬の状態はもちろんデムーロ騎手のエスコートが人馬の「明暗」を分ける事となりそうだ。