JRA所属トップジョッキー「濃厚接触者」疑惑回避も不安の声……「同じ日に同じ場所にいたわけですし」問われる主催者の姿勢
競馬界に激震が走った船橋競馬所属騎手のコロナ感染、そして同じ南関東の川崎競馬の開催取り止め。24日月曜日の開催直前に判明したこの事態により、24日から26日までの川崎競馬が取り止めとなり、27日以降の開催も微妙な状況となった。予定されていた地方重賞のスパーキングサマーカップ(S3)も中止となったのである。
しかしこの話にはさらなる衝撃があった。
編集部に届いた情報によると、少なくとも6名の船橋所属騎手がPCR検査によって陽性が判明した可能性が高いという。その中には地方交流重賞や、東京ダービー(S1)を勝利したトップジョッキーが含まれている様子だから、現場の混乱は必至だ。
一方、川崎競馬所属騎手に関しては、PCR検査にて全員陰性との結果が出たとのこと。大事を取った判断は妥当だが、結果的に今回の川崎競馬の開催中止は、船橋所属騎手の感染によるとばっちりということになってしまった。
とはいえ、船橋所属騎手が感染したからと言って、川崎も騎手だけしか感染を疑わないというのはナンセンスだろう。濃厚接触者という観点では、やはり広範囲の該当者がいるはず。普段から交流のある南関東だけに、全員陰性だった騎手だけでなく、コロナに感染した船橋所属騎手の濃厚接触者だった厩務員や調教師も含めれば、かなりの範囲でPCR検査が必要になると想像されるからだ。
また大井競馬所属騎手もPCR検査を受けているが、前述の船橋所属騎手数名と濃厚接触だったようで、こちらも感染状況が懸念されている。
そしてこのニュースはJRA(日本中央競馬会)に対しても、大きな影響を与えている。というのも、コロナの感染が判明した船橋競馬所属騎手と同日に、大井競馬で騎乗していたJRA騎手に濃厚接触の疑いがあったからだ。
その中にはJRAでもトップレベルの騎手も含まれており、地方交流重賞などで地方競馬に乗る機会も多く、地方競馬関係者と多く接触する機会があるようだ。本日JRAから大井競馬で騎乗していた騎手に対して「濃厚接触者ではない」との判断が下されて事なきを得たが……。
「JRAも新型コロナウイルス感染に関わる問題だけに、迅速に手を打ちましたね。ただ、地方競馬の関係者からは『同じ日に同じ場所にいたわけですし、あの大井の狭い更衣室やシャワールームで、感染の恐れがないとは言い切れないと思います』と不安の声も……。
現時点でJRAは該当騎手に対して、週末の騎乗に制限を設けないとのことでしたが、すでに個人的にPCR検査を受けている可能性もありそうです。その結果次第では、また事情が変わってくるかもしれませんね」(競馬記者)
現在JRAはコロナウイルスの感染防止対策として、取材規制や外部との接触を大幅に制限している。そういった関係者の尽力によって、ここまでクラスターも発生せず開催が継続されてきた。
感染がどれほど蔓延しているのか詳細はまだ不明だが、今後どんな対策が取られるのか。主催者の対応に注目したい。