JRA想定外の軽ハンデに「52キロと51キロは違うねん」ベテラン騎手が有力馬の騎乗をキャンセル。若手騎手に棚ぼたチャンス到来か
5日、小倉競馬場でテレQ杯(3勝クラス・ハンデ)が行われる。翌日に行われる小倉2歳S(G3)と同じ芝1200m戦に、オープン入りを目指す馬が集結した。
その中でも、上位人気が予想されるビアイ(牝3歳、栗東・田所秀孝厩舎)に注目したい。
6月に1勝クラス、7月に芦屋川特別(2勝クラス)と連勝を飾ったビアイ。3連勝をかけて挑んだ佐世保S(3勝クラス)は5着に敗れた。だが、これまで逃げて勝っていたのに対して、後方からのレースとなったことが敗因のひとつに挙げられるだろう。仕切り直しの1戦で、夏の上り馬の実力を証明したいところだ。
今回、手綱を取る予定だったのはベテラン小牧太騎手。だが、せっかくの有力馬に騎乗する機会を見送ることになった。
これにはハンデ戦ならではの理由があるようだ。
「52キロを想定していたようですが、発表されたハンデは51キロでした。これが原因で小牧騎手は騎乗をキャンセルしたみたいです。軽い斤量での騎乗となると、調整が厳しいのでベテランジョッキーが騎乗することは滅多にありません。若手騎手が騎乗することが多いですね」(競馬記者)
詳細については本サイトを確認いただきたいのだが、『netkeiba.com』の連載コラム『太論』で、小牧騎手はビアイへの騎乗が叶わなかったことを残念がりながら、「ファンの人からすれば、『1キロくらい』と思うかもしれんけど、僕が51キロに乗れるまで絞ったら、ほかの騎乗に影響する。それくらい、52キロと51キロは違うねん」と1キロの重みを語っている。
実際に、小牧騎手が中央競馬で51キロに騎乗したのは1度だけ。また、52キロでの騎乗も、今年が1回、昨年と一昨年が2回とほとんど乗っていない。52キロでもギリギリの調整と思われるだけに、なんとかビアイに騎乗したいという強い想いがあったのだろう。
軽ハンデといえば、今年のマーメイドS(G3)を制したサマーセントが50キロだった。鞍上の酒井学騎手は23年目のベテランながら、その斤量に騎乗できるというのは強みである。こればかりは生まれ持っての体質が影響するため、努力で解決することができない天性のものといえるだろう。
今回、小牧騎手が泣く泣く手放したビアイ。騎乗依頼が舞い込む騎手にとっては、願ってもないチャンスとなるはずだ。