JRA小倉2歳S(G3)モントライゼ「テンション↓」に不安の声も……前走「大差勝ち」は惨敗の予兆?
6日(日)、小倉2歳S(G3)に注目のモントライゼ(牡2歳、栗東・松永幹夫厩舎)が出走を予定している。
6月の阪神で行われた新馬戦では、単勝オッズ1.9倍に支持されたが、ヨカヨカに競り負けて2着。しかし、その後、ヨカヨカが無傷の3連勝を飾ったことでモントライゼの株は急上昇した。
2戦目(未勝利)で見せた勝ち方もモントライゼの評価に箔をつけた。好スタートからマイペースの逃げを打つと、4コーナー手前からスパート。直線では後続に影を踏ませず、楽々逃げ切って単勝オッズ1.3倍の人気に応えた。
2着につけた着差は1秒7という大差。直線残り300mからはジョッキーの手は動くこともなく、ゴール板まで馬なりという圧勝だった。新馬戦でヨカヨカに迫った脚、そして未勝利戦の勝ちっぷりから、今回も1番人気は間違いないだろう。
前走から2か月近く間隔が空いたが、2日の最終追い切りでは、栗東坂路で53秒1-12秒2の好時計をマーク。理想の加速ラップを踏み、仕上がりは申し分ない。
管理する松永幹調教師は『サンスポ』の取材に「前走時はかなり気合が乗っていたけど、リフレッシュして戻ってきた。テンションは上がっていなくて前回より調整しやすい」と前走ほどテンションが上がっていない点を強調した。
未勝利戦に騎乗した川田将雅騎手はレース後、「初戦とはガラッと変わって、気持ちが入りすぎるくらいでした。これで少し落ち着いてくれるといいですね」とモントライゼのテンションの高さを危惧するコメントを残している。間隔を空けたことで、落ち着きを取り戻し、好気配が漂うが、ある記者は、この落ち着きが逆に不安要素だと持論を語った。
「川田騎手の指摘通り、勝ち上がった前走はレース前から、暴走してしまうのではないかと心配になるほどスイッチが入っていました。しかし、終わってみれば、そのテンションで1秒7差の圧勝を収めましたからね。今回は一転、落ち着きすぎていることが裏目に出なければいいのですが……」(競馬記者)
同記者は1秒7差をつけた前走の圧勝劇にも異議を唱えている。
「前走は2番手を追走したリサコーハクが2着に粘りましたが、4コーナー手前ではすでに手応えがなくなり、モントライゼに競りかけることすらできませんでした。今回はメンバーレベルも数段上がりますからね。もし道中揉まれるようなことがあれば、弱さを露呈する可能性はありますよ。また、前走でモントライゼに敗れた馬のうち2頭がその後勝ち上がりましたが、いずれもダートでのもの。メンバーレベルにも疑問がわきます。
場所も距離も違うレースですが、昨年の札幌2歳S(G3)で1番人気に支持されたゴルコンダも未勝利戦で1秒8差の圧勝劇を演じ、本番で人気を集めましたが、6着に敗れました。この時期の2歳戦での大差勝ちは過剰人気にもつながるので、評価は慎重にしたいですね」(同)
モントライゼの前走の勝ちっぷり、そして前走ほど上がっていないテンション。モントライゼの取捨に競馬ファンの眼力が問われそうだ。