JRAセントライト記念「回避」ヴェルトライゼンデに「落とし穴」!? 神戸新聞杯はコントレイル以外に意外な“敵”が存在か
13日、日本ダービー(G1)で3着のヴェルトライゼンデ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が21日のセントライト記念(G2)を回避し、27日の神戸新聞杯(G2)へ向かうことが明らかになった。
日本ダービーのレース後、骨折が判明したヴェルトライゼンデ。全治3か月の見込みだったが、順調に回復して菊花賞(G1)の前哨戦・セントライト記念に向けて調整されてきた。
しかし、10日の追い切りを熱発により中止。サンデーサラブレッドクラブは公式ホームページで「熱が治まるのを待ってから進め方を検討します」と発表し、今後の予定はいったん白紙となった。そして、セントライト記念に特別登録は行わず、神戸新聞杯を使うことになった。
セントライト記念の出走予定メンバーで上位人気が予想されるのは、日本ダービーで6着のガロアクリーク、11着のサトノフラッグ、14着のヴァルコスなど。もし、コントレイル、サリオスに次ぐ、世代屈指の実力馬であるヴェルトライゼンデが出走するとなれば、1番人気になったのは濃厚だろう。
また、神戸新聞杯にはコントレイルが出走を予定しており、楽な戦いではなさそうだ。
「骨折明けで熱発となれば、大事を取ってセントライト記念を見送ったのはやむを得ないですね。セントライト記念を勝って、菊花賞でコントレイルにリベンジといきたいところだっただけに残念です。
神戸新聞杯はコントレイルとぶつかる以外に、『鞍上問題』もあるのでヴェルトライゼンデにとってプラスにならない気がしますね」(競馬記者)
ヴェルトライゼンデの主戦は池添謙一騎手。日本ダービーの3着は鞍上の手腕があっての結果とも言える内容だった。当初、セントライト記念は同コンビ継続が予定されていたが、神戸新聞杯に出走するとなれば、コンビ解散の危機となる。
「すでに池添騎手は神戸新聞杯でアイアンバローズに騎乗する予定が決まっています。メルボルンT(1勝クラス)を勝ったばかりの馬で、実績ではヴェルトライゼンデの方が遥かに上です。できればヴェルトライゼンデに騎乗したいのが本音だと思いますよ。新たにヴェルトライゼンデの鞍上には誰が迎えられるのでしょうか。それとも……」(同)
半兄のワールドエースはダービー後に故障して、秋競馬を棒に振った。それとは対照的に、同じく半兄のワールドプレミアは春を棒に振って、秋に菊花賞を制する大活躍。ヴェルトライゼンデは年間通して活躍することが期待されているだけに、今回のセントライト記念回避は不安が募るものになった。
神戸新聞杯で強力なライバル、鞍上問題という“二重苦”となるヴェルトライゼンデ。まずは鞍上がどうなるかに注目が集まる。