JRA史上最高「5億円」超高額落札馬に早くも暗雲!? 全兄サトノスカイターフのデビュー戦に大きな不安
20日、中京競馬場で行われた新馬戦(芝2000m)は福永祐一騎手の1番人気ジュンブルースカイが勝利した。同馬の血統は父ドゥラメンテ、母ジュントップヒトミの姉ウィキウィキは2016年の日本ダービーを優勝したマカヒキを出している良血だ。
デビュー戦の手綱を取った福永騎手は土曜中京でも3R、4R、5Rを3連勝し、最終Rも制する4勝の固め打ち。得意の中京で今年のサマージョッキーシリーズを優勝した”夏男”の快進撃を印象付けた。
その一方、2番人気に推されたC.ルメール騎手のサトノスカイターフ(牡2、栗東・池江泰寿厩舎)は2着に敗れ、デビュー戦を飾ることが出来なかった。
レースはモーガンが逃げて1000m通過を1分2秒6のスローペースに落とす展開。サトノスカイターフはもっさりとしたスタートながらも、ルメール騎手が促して好位に取りついた。
サトノスカイターフはインをロスなく追走していたものの、2ハロン13秒台が続くラップを先に動いたジュンブルースカイの福永騎手の好判断が光った。外からサトノスカイターフを押し込めるように前を捉えに行く。ライバルに先んじて仕掛けると、楽な手応えで後続の追撃を封じ込んだ。
敗れたサトノスカイターフは、クラシックを見据える関西の名門・池江泰寿厩舎の管理馬。5歳上の姉キャスリンソフィアは米国でデビューし、16年のケンタッキーオークス(G1)を制しただけに、同じ母を持つ弟にもG1級の期待がされるのも無理はない。
サトノスカイターフは庭先取引された馬だが、その妹弟が今年のセレクトセールを席巻したことでも話題となった。
妹にあたるシーヴの2019(父ディープインパクト)が、国内1歳馬のセリ史上最高額となる5億6100万円(税込)で落札されている。さらに2日目の当歳馬セールでは弟であるシーヴの2020(父ハーツクライ)が2億3100万円(税込)で落札され、シーヴの仔が2日連続で高額での落札となっていた。
ジュンブルースカイの勝利は見事だったとはいえ、超高額落札馬一族のスケールとしてはサトノスカイターフに物足りなさが残ったのは確かである。
「同じシーヴの仔であるサトノスカイターフへの期待も勿論大きかったです。管理する池江調教師も『このレベルの馬なら、ダービーが目標になってくる』と話しているほどでしたからね。
2着という着順だけならそれほど悪くはありませんが、元々の期待が大きかっただけに残念な結果だったと言えそうです」(競馬記者)
落札額が必ずしも成績に比例しないことは競馬の世界では決して珍しくないが、兄サトノスカイターフのデビュー戦敗退は、弟妹を落札したオーナーにとっては不安を覚える内容だったかもしれない。
次走では不安を払拭するような快勝に期待したい。