川田将雅「デアリングタクトに挑戦できる器」VS元JRA安藤勝己「牝馬3冠は揺るぎない」ローズS(G2)リアアメリア復活勝利も見解に大きな隔たり
20日、中京競馬場で行われた秋華賞トライアル・ローズS(G2)は、川田将雅騎手の3番人気リアアメリア(牝3、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。昨年10月のアルテミスS(G3)以来の勝利を飾り、10月18日の秋華賞(G1)に向けて弾みをつけた。
「やっと本来の姿を見せることができて良かったです」
勝利騎手インタビューでの川田騎手の言葉が、これまでの同馬に対する思いを集約していたかもしれない。
新馬、重賞と2連勝を決めた2歳時には世代NO.1の呼び声も高かったリアアメリア。だが、単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持された昨年の阪神JF(G1)を6着に敗れてから陣営にとっては苦難が続いた。
直行した桜花賞(G1)を見せ場なく10着、休み明けを一度使われたオークス(G1)では掲示板を確保する4着と前進は見せたものの、無敗で牝馬クラシック2冠を制したデアリングタクトの前に連敗。女王が秋華賞への直行を決定したため、対決は本番まで先送りとなった。
レースでは、これまで後方からの競馬が多かったリアアメリアのイメージとは対極的な2番手の位置取り。レース後に川田騎手が「元々こういう競馬をやっていきたいというところです」と振り返ったが、これこそが”新生”リアアメリアの姿なのだろう。
直線早めの抜け出しから2着馬に2馬身差の復活劇に「本当の姿を見せられてホッとしています」とコメントしたのも納得のレースだった。
素質を高く評価しているからこそ「元々はポテンシャルが高すぎて、自分がそれを上手く使うことができませんでした」という自戒の言葉も出た。川田騎手は「2冠牝馬のデアリングタクトに挑戦できるだけの器があると思っています」と女王の3冠阻止に向けて強い意欲を見せた。
これに対し、イメージ通りのレースに普段より饒舌だった川田騎手とは異なる見方をしたのが元JRAの安藤勝己氏だ。
安藤氏は自身の公式TwitterでローズSについて「好枠からモマれずにこの馬だけが自分の力を出したって感じやった。後ろが差せない展開に持ち込んだってのを考えても、他の有力馬がいかにも物足りない」と、リアアメリアにとって展開が味方したと指摘。「正直、デアリングタクトの牝馬3冠は揺るぎないと思うね」と、デアリングタクトの3冠阻止には懐疑的な見解を述べた。