JRA川田将雅ガロアクリーク「菊花賞(G1)回避」は大歓迎!? 角居勝彦調教師、最後のクラシック「秘密兵器」はディープインパクト産駒の長距離砲
21日に中京競馬場で行われたセントライト記念(G2)は、1着バビット、2着サトノフラッグ、3着ガロアクリークと、重賞勝ち馬が菊花賞(G1)の優先出走権を手にする順当な結果に終わった。
レース後、重賞連勝に導いた内田博幸騎手が「距離が延びても折り合いはつくし、いい形でこの馬のレースができれば、本番でも十分にチャンスはあると思います」とコメントすれば、2着サトノフラッグについても国枝栄調教師が「菊花賞に行くことになると思う」と明言。実力馬2頭がクラシック最終章で、コントレイルの三冠阻止に名乗りを上げた。
その一方、上原博之調教師が「次走は関係者と相談しながら決めたい」と菊花賞出走に明言を避けたのが、3着だったガロアクリークだ。
「1800mのスプリングS(G2)を勝ち、2200mの今回でも首位争いと3歳世代でもトップクラスの実力を秘めるガロアクリークですが、父は高松宮記念(G1)を連覇したキンシャサノキセキ。全兄のマーベラスアゲンは1800mまでしか出走したことがないマイラーですし、やはり3000mは『常識的に考えて長い』と言わざるを得ません。レース後には元JRA騎手の安藤勝己さんも『ガロアクリークも完璧に乗ったけど2000mまでが適性かな』(公式Twitter)とコメントしていました。
ただ、その一方でガロアクリーク自身が、すでに血統の常識を破るような活躍を見せていますし、近年の菊花賞はスローの瞬発力勝負になることも多く、折り合いさえつけば、スタミナの不足をカバーできる面もあります。陣営にとっても悩ましい選択になると思いますよ」(競馬記者)
実際に昨年の菊花賞を振り返っても、2着サトノルークス、3着ヴェロックスといったところは翌年2000m以下のレースに出走。2015年の2着リアルスティールも、翌年に1800mのドバイターフ(G1)を制したことで有名だ。
もしキンシャサノキセキ産駒のガロアクリークが菊花賞に出走すれば、血統の常識に挑む存在として大きな注目を集めるだろう。ただ安藤氏の発言通り、常識的に考えれば、やはり回避が濃厚と述べざるを得ない。
一方、仮にそうなれば「ほくそ笑むことになるかも」という陣営がいるようだ。今週の神戸新聞杯(G2)に挑むファルコニア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)だ。
「今週の神戸新聞杯に出走するファルコニアの主戦は川田騎手。賞金的に菊花賞の優先出走権を得ることが条件になりそうですが、本来ならガロアクリークに騎乗することが濃厚だった川田騎手に本番でも乗ってもらえるなら陣営は万々歳でしょうね」(別の記者)
スプリングS(G2)4着、京都新聞杯(G2)で3着と、惜しくも春のクラシック出走が叶わなかったファルコニアだが、全兄のトーセンカンビーナは3000mの阪神大賞典(G2)で2着し、3200mの天皇賞・春(G1)でも掲示板(5着)を確保したステイヤーだ。
ファルコニアも3000mの菊花賞は望むところ。ましてや来年2月に勇退が決まっている角居勝彦調教師にとって最後のクラシックとなれば、陣営も菊花賞の優先出走権確保に力が入っているのは当然だろう。
神戸新聞杯には無敗のコントレイルを筆頭に、日本ダービー(G1)3着のヴェルトライゼンデなど強敵が揃った印象だが、川田騎手を確保して菊花賞へ駒を進められるなら面白い存在になりそうだ。