JRA神戸新聞杯(G2)福永祐一”菊花賞意識”ならローズS(G2)の誤算再現も!? 勝ち時計はコントレイル以上の「レコードホルダー」に激走の予感
27日(日)、菊花賞(G1)トライアルの神戸新聞杯(G2)が、中京競馬場の2200mで開催される。無敗の3冠馬を狙うコントレイル、日本ダービー(G1)3着ヴェルトライゼンデ、5着ディープボンド、また春からの巻き返しを誓うマイラプソディ、ビターエンダーなど楽しみなメンバーが顔を揃えた。
熾烈な争いが繰り広げられると見られるが、その1戦で密かにファンから熱視線を送られているのが、悲運の素質馬・グランデマーレ(牡3、栗東・藤岡健一厩舎)だ。
ロードカナロア産駒のグランデマーレはデビュー戦を逃げて快勝すると、続く葉牡丹賞(1勝クラス、中山芝2000m)を1.58.9の2歳JRAレコードでV。能力の高さを証明したレース後に、陣営は次走にホープフルS(G1)を向かうことを明言した。だが大一番に出走するならば、有力視されていたものの、後に骨折が判明。全治には6か月以上かかることもあり、暮れのG1はおろか、翌春のクラシックへの参戦も叶わなかった。
「グランデマーレは葉牡丹賞で前半59.7、後半59.2のハイペースで進み、1.58.9のレコードを記録。2019年のホープフルSを勝ったコントレイルは、前半を60.9、後半60.5の2.01.4で優勝し、さらに翌年には中山のBコース開催となった皐月賞(G1)で前半59.8、後半60.9の2.00.7で勝っています。
メンバーやさまざまな条件も違うため、一概に比較はできませんが、優秀なタイムを持っているため、グランデマーレがホープフルSや皐月賞に出走していた場合は、打倒コントレイルの最右翼に考えられていたハズ。それだけに故障が悔やまれますが、ここからの復活を期待したいです」(競馬誌ライター)
約10ヵ月近い休み明けでの出走となるグランデマーレは、主戦の藤岡佑介騎手を背に栗東の坂路で1週前追い切り。強めに追われて僚馬(古馬1勝クラス)に先着し、4F53.3、ラスト12.3を記録している。
例年ならば、神戸新聞杯は『前残り』が顕著になる阪神の開幕週に開催されていた。だが、今年は中京で行われる。前で競馬をするグランデマーレにとっては、絶好の舞台とは言い難いコースでの開催となってしまったものの、それで割り引く必要はないという。
「先週のローズS(G2)は、先行策を取ったリアアメリアが優勝しましたが、2000mのレースで、1000mのタイムが前半60秒9に対し、後半59秒0という落差1秒9の超スローの展開。後方で脚を溜めて最後の直線にかけていた武豊騎手のデゼル、福永祐一騎手のリリーピュアハートらは、脚を余していました。
今回、福永騎手のコントレイル、池添謙一騎手のヴェルトライゼンデ、武豊騎手のマイラプソディらは、長丁場の菊花賞を意識すると、後方から進める可能性が高いです。そうなると、ローズS同様のスローペースの展開になり、前で競馬をするグランデマーレに展開が向くことになる可能性が高いです。
グランデマーレは長距離戦には適性があまりないロードカナロア産駒。菊花賞を目標としていないだけに、控える競馬をするなど、自身の得意なスタイルを崩す必要もありませんから面白そうです」(競馬記者)
故障に泣いた素質馬の復活劇はここからはじまる。