元JRA藤田伸二氏「ユウスケ何したかったん?」スプリンターズS(G1)ビアンフェ「大暴走」に春のスプリント王モズスーパーフレア轟沈……
4日、中山競馬場で行われたスプリンターズS(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気グランアレグリアが直線一気の差し切りで優勝。春の安田記念(G1)でアーモンドアイを破った実力馬が、秋G1開幕を告げるレースで鮮やかな勝利を飾った。
その一方、2番人気に支持された高松宮記念馬モズスーパーフレア(牝5、栗東・音無秀孝厩舎)は果敢に先頭を奪うも、直線半ばで力尽きて10着に敗退。高松宮記念(G1)に続いての春秋スプリント制覇を目指した大一番は、陣営にとってほろ苦い結果に終わった。
フルゲート16頭で行われたスプリントG1は、逃げたモズスーパーフレアにビアンフェが執拗に競りかけ、先行勢には息が入らない展開。3番手のラブカンプーすら前を行く2頭から大きく離された。その結果、前半3ハロンのラップは32秒8を計時。最終週ということもあり、時計の掛かっていた中山の馬場を考えると明らかにオーバーペースとなってしまった。
レース後、松若風馬騎手は「人気を背負っていた分、マークもきつかった。最後は競られた分が響いた」と悔い、管理する音無調教師も「ずっと競って来られて、最後は苦しくなってしまいました」と、ビアンフェに競りかけられたことを敗因として挙げた。
モズスーパーフレア陣営にとっての“不吉な”前兆は、既にレース前からあったのかもしれない。
ファンファーレが鳴り響き、ゲート入りの段階で先入れ発走のビアンフェが“イヤイヤ”……。一向にゲート入りが終わらず5分が経過、最終的には藤岡佑介騎手が一旦下馬してのゲートインとなった。
このビアンフェのテンションの異常な高さこそが、超ハイペースの暴走からのぶっちぎり最下位の原因となった可能性が高い。藤岡佑騎手も「コンディションがいいと気持ちが高ぶってしまう。かみ合わなかったです」と弁明するほかなかった。
「逃げ馬の宿命とはいえ、あそこまで競られると、いくらモズスーパーフレアでも脚が持たないですよ。昨年より1秒以上遅い勝ち時計だったことからも、前半は明らかに速過ぎました。
超ハイペースの立役者となったビアンフェの藤岡佑騎手の騎乗には疑問が残ります。スタートして明らかに出して行っていましたから。噛み合わなかったというよりも、あれでは“暴走”と見られても仕方がありません」(競馬記者)
これには同騎手と日頃から懇意にしている元JRA騎手の藤田伸二氏も自身のTwitterで「ユウスケ何したかったんかの〜」と”弟分”の大失態をイジった。
さらに、ネットでも「あそこまで競りかける必要ある?」「これじゃ、ただのモズスーパーフレアへの嫌がらせ」「絡んでぶっちぎり最下位では意味が分からない」と藤岡佑騎手の騎乗を疑問視する声も上がっていた。
11番人気の人気薄だったとはいえ、2番人気モズスーパーフレアにとっては致命的な展開を作り出してしまったビアンフェと藤岡佑騎手。モズスーパーフレアを応援していたファンからは、思わぬ怒りを買ってしまったかもしれない。