JRA 3歳最強馬は松田国英厩舎にいた!? 「文句なしに強かった」規格外のスケールに敗れた小牧太も驚愕……引退間近の名伯楽が最後の大仕事に虎視眈々
もしかしたら3歳ダート最強馬は松田国英厩舎にいるのかもしれない。
4日、中京競馬場で行われた白川郷S(3勝クラス)は、1番人気のハギノアレグリアス(牡3歳、栗東・松田国英厩舎)が快勝。単勝1.6倍の圧倒的支持に応え、3連勝で一気のオープン入りを決めた。
前日に行われたダート重賞のシリウスS(G3)の勝ち時計が同じくダート1900mで1:57.8だったのに対し、白川郷Sはこれを1.5秒も凌ぐ1:56.3だったのである。レコードである1:55.9が重馬場でマークされていることを考えれば、良馬場でレコードに0.4秒差だったことは破格の時計といえる。
詳細は本サイトをご覧いただきたいのだが、これについては小牧太騎手も『nekeiba.com』内のコラム『太論』で触れている。
3勝クラスの壁にぶつかっていたキーフラッシュを、自身に乗り替わってから2戦連続で3着に導いたのは小牧騎手と手が合っていたのだろう。コンビ3度目で勝利を狙っていただけに「イメージした通りに完璧に乗れたんやけどなぁ。ガックリきたわ」と振り返った。
その一方で「勝った馬は、文句なしに強かった。アッサリとかわされてしまったからねぇ。相手がミスでもしない限り、あのレースは勝てんかったわ」と勝ち馬の圧巻の走りに驚愕している。
小牧騎手がそう感じたのも無理はない。2着キーフラッシュに1馬身1/2 の差だったとはいえ、3着ネオブレイブはそこからさらに7馬身も後方に置き去り。勝ったハギノアレグリアスが強過ぎただけに、むしろキーフラッシュが大健闘したと考える方が自然かもしれない。
今年の3歳ダート路線は混沌とした様相を呈しているだけに、ハギノアレグリアスが規格外の走りを披露したことは見逃せない。勿論、違うレースなだけにそう簡単な話ではないのだが、カフェファラオの走りに物足りなさを感じていたのは元JRA騎手である安藤勝己氏もそうかもしれない。
安藤氏は自身の公式Twitterにて「カフェファラオ。ゲートはモサっと出たし、直線も追われて嫌々伸びて、まだ馬が目覚めてない感じやった。今日のハンデと相手でこの勝ち方やと、前走の敗戦も頷けるところある」と指摘。
これと無関係ではなさそうなのが、9月30日に船橋競馬場で行われた日本テレビ盃(G2)で勝ち馬から4秒も離される大敗を喫したダノンファラオの存在だ。同馬は7月にジャパンダートダービー(G1)を制し、カフェファラオは7着に完敗。3歳ダートでトップクラスの評価を受けていた馬の大敗に、3歳ダート組のレベルが疑問視されたのも頷ける。
安藤氏は続けて「どれだけの馬なのかは次走の変わり身にかかってる。重賞制した馬に辛口やけど、ユニコーンSまでが凄かったからね」勝ったとはいえ、春ほどのインパクトは感じなかったことも匂わせている。
シリウスSを勝ったカフェファラオの1:57.8は白川郷Sで4着だったウェルカムゴールドの走破時計と同じ。時計だけの単純比較ならハギノアレグリアスから約10馬身近く離されていたかもしれないという”仮説”も成り立つ。