JRA毎日王冠「3歳馬」サリオス&サトノインプレッサで明暗!? 過去20年の3歳馬データからジャッジ!
今週行われる毎日王冠は、天皇賞(秋)だけでなくジャパンカップ、そしてマイルチャンピオンシップなどの注目G1レースに繋がる重要な前哨戦だ。毎日王冠に出走し、秋の天皇賞を制した馬も数多くおり、ここをステップに本番で巻き返した馬も多い。様々な思惑が絡み合う、秋のG1シーズンに向けて重要な一戦であることは言うまでもない。
今年はその毎日王冠に2頭の3歳馬が出走する。今年の日本ダービー2着馬サリオス、そして4着馬サトノインプレッサである。毎日王冠はグレード制が導入された1984年以降に4頭の3歳馬が勝利しているが、逆に多くの3歳馬も敗退しているレースでもある。
■毎日王冠を勝利した3歳馬
1988年オグリキャップ
2010年アリゼオ
2012年カレンブラックヒル
2019年ダノンキングリー
オグリキャップの勝利以降、1989年から2009年まで20年に渡って3歳馬は古馬の壁を超えられないでいたが、その中には1995年の皐月賞馬ジェニュイン、1996年のバブルガムフェローとタイキフォーチュン、さらに1998年はサイレンススズカに完敗だったグラスワンダーとエルコンドルパサーといった名馬も含まれている。この成績から見ても、3歳馬にとって毎日王冠に出走する超一流の古馬はやはり大きな壁といえよう。
しかし今年の毎日王冠に出走する古馬は、G1レースどころか古馬のG2レースを勝利した馬が出走しないこともあり、サリオスとサトノインプレッサにとっては大きなチャンスになりそうだ。
そこで今回は過去20年の3歳馬の成績をチェックし、3歳で勝てる馬の条件を探した。その傾向からサリオスとサトノインプレッサの勝算、つまり馬券的に「買いなのか消しなのか」をジャッジしたので、ぜひ参考にしてもらいたいと思う。
2000年から2019年で毎日王冠に出走した3歳馬は合計25頭。その中で3頭が勝ち馬となり、2010年にはアリゼオとエイシンアポロン、2012年にはカレンブラックヒルとジャスタウェイで3歳馬のワンツーフィニッシュもあった。古馬混合のG2レースに挑戦するぐらいだから、出走馬は重賞勝利か2着の実績がある馬がほとんどで、オークス馬ソウルスターリングや日本ダービー2着ペルーサなどの実績馬も多い。
まず勝利した3頭から見ていくと、3頭ともG1勝ちか2着、あるいはG2レースでの勝利実績、加えて東京コースでの勝利と3勝以上、G1レース以外はすべて3着以内の実績がある。そして重賞以外はすべて勝利しており、オープン特別で2着や500万条件(1勝クラス)2着では実績不足。また3頭とも前走が春のG1レースで、休み明けの勝利となっているが、新馬で勝ち上がっているようにレース間隔を問わない実績も必要だろう。さらに消耗度が影響するのか、3頭ともキャリアは6戦以内となっている。
■3歳の毎日王冠勝利条件
・G1で勝利か2着、あるいはG2で勝利
・東京コースで勝利
・新馬勝ち
・3勝以上
・G1レース以外はすべて3着以内
・重賞以外はすべて勝利
・1800m以下で勝利
・牡馬
・デビューからキャリア6戦以内
古馬の強豪を相手にするだけに、実績はもちろん、安定度やコース適性は重要。そして開幕週でスピードが要求されるだけに、長い距離を使ってきた馬は不利などの状況が見受けられる。
毎日王冠に出走し敗退した3歳馬22頭で、この条件にひとつでも足りなかった馬は22頭。つまり上記の条件に一つでも該当すれば、3歳で勝利する可能性はないといっていい。