JRA「444万馬券」16番人気ディープリッチ大波乱演出! 単勝147.3倍もセレクトセールでは父の産駒で最高落札評価
10日、東京競馬場で行われた5R新馬戦は16番人気のディープリッチ(牡2歳、美浦・小島茂之厩舎)が優勝。大外から豪快に突き抜け、単勝147.3倍という低評価を覆した。
18頭立てで行われた芝1600mのレース。スタートが一息だったディープリッチは無理せず後方から。道中は最後方だったが、最後の直線で大外に持ち出されると末脚が爆発。ライバルたちを一息に飲み込んだ。
2着には5番人気のアルジェントステラ、3着に9番人気のパブリックドメインが入線したことによって、三連単は444万6740円と大荒れの結果となった。
「レース後に鞍上の武藤雅騎手が『こういう馬場がいいと思っていた』と話せば、小島茂調教師も『一言で言えば道悪』と振り返っていた通り、重馬場が大きな勝因。
ですが、結果的に馬場の良い外を走れたことは大きかったと思いますし、出遅れながらも落ち着いて乗った武藤騎手のファインプレーだと思います。小島調教師も『ジョッキーが丁寧に乗ってくれた』とその手腕を褒めていましたよ」(競馬記者)
単勝万馬券だけでなく、三連単444万馬券の主役となったディープリッチ。多くの人がノーマークだったようだが、振り返ってみれば最大手ノーザンファームの生産馬で2019年のセレクトセールではディープブリランテ産駒ながら、2900万円というまずまずの価格で落札された素質馬。
ちなみに、この年のディープブリランテ産駒の中では最高落札だったようだ。
「追い切りではそれほど目立った時計でもなかっただけに人気薄でしたが、大外一気の競馬ぶりにはスケールの大きさを感じましたね。
ディープブリランテの産駒らしく道悪が上手なのは確かですが、今回の“マグレ勝ち”だけで終わらなさそうな馬だと思います。先々まで楽しみな馬ですよ」(別の記者)
レース後、小島調教師が「1800mまでは大丈夫だと思う」と今後の豊富を語れば、武藤騎手も「あとは良馬場でどれだけ速い脚を使えるか」と先を見据える。
2015年のヴィクトリアマイルでG1レースにおける史上最高配当・三連単2000万馬券を演出したミナレットに代表されるように大万馬券に貢献した馬が再度、大波乱を演出することは決して珍しくない。
「恵まれたけど勝ちは勝ち」と胸を張った小島調教師。444万馬券演出と“ド派手”なデビューを飾ったディープリッチだが、今後も我慢強く追い掛ければファンに“リッチ”な馬券生活をプレゼントする存在になるかもしれない。