岩田望来JRA通算99勝から「39連敗」で騎乗停止……「僕の追い方が良くない」メイショウサンガで幻の100勝目も1位降着
1日、京都競馬場で行われた7R(1勝クラス)は、結果的に1番人気のナリタザクラ(牡3歳、栗東・高橋亮厩舎)が1着となったが、後味の悪いレースとなってしまった。
9頭立てで行われた芝2400mのレース。最後の直線で岩田望来騎手のメイショウサンガが好位から先頭に立ったものの、直後を走る松山弘平騎手のナリタザクラの手応えが良く、交わすのは時間の問題と思われた。
しかし、外から馬体を併せに行ったナリタザクラに対して、苦しくなったメイショウサンガが大きく斜行……。結果的にナリタザクラの進路を塞ぐような格好で、ゴール板を駆け抜けた。
この結果、レース直後に審議のランプが点灯。数分後、JRA(日本中央競馬会)の裁決委は「走行妨害がなければ、ナリタザクラはメイショウサンガより先に入線した」として、1位入線したメイショウサンガを2着に降着させた。
「うーん……最初、岩田望騎手も左ムチを打って、メイショウサンガが外へ逃げるのを防いでいたんですが、後ろからナリタザクラが迫って、両手で追う形になってからは、もうダメでしたね……。外へ外へヨレてしまい、ゴール前100mほどは、ずっとナリタザクラの進路を塞ぎ続ける形でした。降着処分は仕方ないと思います」(競馬記者)
レース後、1着繰り上がりとなったナリタザクラの松山騎手は「いい形で脚が溜まりましたし、最後もいい脚を使ってくれました」と相棒を称賛する一方、「直線の不利がなければ、しっかりと交わしてくれていたと思います」と、毅然とした態度を示すことも忘れなかった。
これに対して、メイショウサンガの岩田望騎手は「僕の追い方が良くなくて、馬が左に行ってしまって……」とコメントするのが精一杯。1着、2着の入れ替わりだけに両者だけでなく、ファンにとっても後味の悪い決着となってしまった。
その一方、ある記者は岩田望騎手に「焦りがあったかも」と指摘する。
「今年、ルーキーイヤーの37勝を大きく上回る62勝を上げ、リーディングトップ10入りしている岩田望騎手ですが、ここのところは大ブレーキで現在39連敗中……。あと1勝でJRA通算100勝なんですが、先週の日曜には4連続2着を記録するなど、フラストレーションが溜まる競馬が続いています。
本人もブレイクしている今が、今後の騎手人生を左右しかねない勝負所だと分かっているでしょうし、トップ10に入るような騎手はちょっと勝てないと、途端に順位が大きく下降します。まだ2年目の20歳ですし、岩田望騎手でなくともメンタルをコントロールするのは難しいと思いますね。本人はわりとマイペースな性格のようですが……」(別の記者)
この結果、JRAから競馬開催4日間の騎乗停止処分を受けた岩田望来騎手。今月のエリザベス女王杯(G1)やマイルCS(G1)などに参戦できないことが決まり、待望の重賞初制覇から、さらに遠ざかってしまった。
「実力はこのクラスでも足りる馬です」
レース後、最後はメイショウサンガを庇った岩田望騎手。今回は大いに反省すべき結果となってしまったが、騎乗停止期間を仕切り直しの時間として、JRA通算100勝目への再起を期待したい。