デムルメ時代はもう終わり!? 元JRA安藤勝己氏「やっぱりルメール」好騎乗連発に大絶賛…… 「無双モード」入った秋、驚愕の勝率5割超え
今年の騎手リーディングもはや「当確」か。
11月8日現在、178勝を挙げて1位のC.ルメール騎手は、150勝を挙げて2位の川田将雅騎手に28勝差をつける独走態勢。2017年から3年の間、守り続けた最多勝騎手の座は、今年も盤石の体制となりそうだ。
リーディングを争うライバル2人だが、その中身には大きな違いがある。今年のJRA・G1で5勝を挙げるルメール騎手に対し、川田騎手は未勝利。重賞勝利数にしてもルメール騎手の14勝、川田騎手は6勝と大きく離されているのが実情だ。ルメール騎手は量だけでなく質でもライバルを凌駕している。
先週のみやこS(G3)ではクリンチャーを好騎乗で勝利に導いた川田騎手だったが、ルメール騎手は土曜東京メインの京王杯2歳S(G2)をモントライゼ、日曜東京メインのアルゼンチン共和国杯(G2)ではオーソリティで土日重賞制覇の離れ業。日本人騎手としてリーディング奪還を狙う川田騎手にとって大きな壁として立ちはだかっている。
ひときわ目立ったのは日曜のアルゼンチン共和国杯の好騎乗だ。
内側の馬場が傷んでいた東京の芝コースを外目の3番手から手応えよく追走。前の2頭が飛ばしたため、馬群は縦長になった。前半が流れたことにより、思い切りを欠く騎手が多数いた中で泰然自若のマイペース。中盤のラップが緩んだことで瞬発力勝負になった直線をしっかり抜け出した。
レース後、ルメール騎手は「直線の手応えも良かったですし、長くいい脚を使って、すこしずつ加速していきました。坂を上ってトップスピードになって、ゴールまで止まりませんでした」とパートナーを褒めたが、この結果は他の騎手と一線を画した好騎乗の賜物だろう。
これには元JRA騎手の安藤勝己氏も公式Twitterで反応。「やっぱりルメール。大外枠から位置取って、終始馬場のいい所を選んどるもん。バテないタイプで、こういった舞台も合っとる」とその手腕を絶賛した。
その一方、ルメール騎手に好素質馬が集中していることも事実だ。生産界の最大勢力であるノーザンファームが主戦騎手として起用していることもあり、G1級といわれる馬の多くがルメール騎手に任される。そのため、「極上馬質」がファンの間で物議を醸すことも珍しくない。
「アーモンドアイをはじめ、サリオス、グランアレグリアもみんなルメール騎手ですからね。それ以外もラッキーライラック、フィエールマンにサートゥルナーリアなどの有力馬が揃っています。
そのあまりの一極集中ぶりに一部では『ルメールファースト』なんてことも言われたり、対決を期待される馬が”なぜか”それぞれ別のレースに出走することで『使い分け疑惑』が出たり……。
ただ、色々言われながらも周囲の雑音を封じるだけの結果を残していることは確かです。結果がすべての世界で、トップジョッキーにいい馬が回って来るのは至極当然といえるでしょう」(競馬記者)
安田記念を2着に敗れたアーモンドアイショックもあったのかもしれない。6月から9月の重賞は14鞍に騎乗しながらもタイムフライヤーで制したエルムS(G3)の1勝のみと思わぬスランプに突入していたルメール騎手。