JRA「凋落」ジャパンC(G1)がV字回復。「ダービー以下」評価急落の大失態から名誉挽回も、課題は残されたまま……
アーモンドアイ参戦でさらにハイレベルなレースとなりそうだ。
29日、東京競馬場でジャパンC(G1)が行われる。無敗の3冠馬コントレイルとデアリングタクトに加えて、芝G1・8勝の先輩3冠馬アーモンドアイも参戦することが決定し、多くのファンが注目を集めている。
「世界に通用する強い馬づくり」が提唱されはじめたことを受けて、1981年に日本初の国際競走として創設されたジャパンC。当初は外国馬の強さを見せつけられるレースだった。第4回にカツラギエース、第5回にシンボリルドルフの2頭が日本馬として優勝したが、その後は外国馬が6連勝。オグリキャップなどの名馬も世界の壁に跳ね返された。
だが、90年代に入ってからは日本馬の活躍が目立つ様になり、2005年のアルカセットを最後に外国馬の優勝はない。日本の競馬が世界に通用するレベルになったと言えるだろう。
その一方、外国馬の出走が減っているという懸念もある。
多い年には10頭が参戦することもあったが、2011年以降は5頭以下しか集まらなくなった。ついに、昨年の第39回ジャパンCは創設後初めて、外国馬の参戦なしで行われた。
「これには日本の高速馬場が原因のひとつに挙げられます。芝の深い馬場の欧州ではパワーが求められるため、日本の馬場では力が発揮できません。そのため、ジャパンCに消極的になっていると考えられます。さらに、アメリカのブリーダーズカップ、香港国際競走が近い日程で行われることも、これに拍車をかけていますね」(競馬記者)
その結果、IFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表した2019年世界のトップ100GⅠレースのレーティングで、ジャパンCは46位の118ポンドという評価を受けた。前年の7位から大きく転落してしまったのだ。
ちなみに、日本のレースでランクインしたのは5位の宝塚記念(122.25)、6位の有馬記念(122.00)、13位の天皇賞・秋(120.75)、22位の安田記念(120.00)、32位の日本ダービー(118.75)、36位の皐月賞(118.50)だった。
ジャパンCが同じ東京2400mで行われる3歳限定戦の日本ダービーを下回る結果となったのは、レースの価値が疑われるものである。