JRA武豊「こんなに強い馬はいませんでした」2001年のクリスマスに溶けた夢……C.ルメールを背に「あの怪物」がついに「新天地」へ! 再び舞い落ちた白い“希望”
かつて、ダートで名をはせた「芦毛」といえば、クロフネがいた。芝のNHKマイルC(G1)を制し、ジャパンCダート(G1)も圧勝した名馬だ。
ジャパンCダートで騎乗した武豊騎手は「これまでにも良い馬にたくさん乗せていただきましたが、今日のレースに限って言えば今まで乗ってきた馬の中でも、こんなに強い馬はいませんでした」とコメント。まさに「怪物」と呼ぶに相応しい馬であった。
ジャパンCダート圧勝後は、翌年のドバイワールドC、ブリーダーズCクラシックへの出走を予定していた本馬。しかし、2001年12月25日にスポーツ紙で取り上げられたのは、右前脚の屈腱炎発症による「引退」のニュースであった。
クリスマスの日、雪のように溶けた日本馬調教馬による「米国ダートG1制覇」の夢は、いまだ達成されていない。2020年、再び舞い落ちた白い雪。同じ「芦毛」に託された“希望”は、まだ溶けてはいない。