JRA川田将雅「兄や母の血が騒ぎ出した」レイパパレ無敗5連勝も、遠ざかる女王デアリングタクトの背中。「狂気の一族」兄はホープフルS制覇も、最後は…
5日、阪神競馬場で行われたチャレンジC(G3)は、圧倒的1番人気のレイパパレ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)が優勝。重賞初挑戦で初制覇を飾り、デビューから続く連勝を5に伸ばした。
女王デアリングタクトの連勝は止まったが、こちらは止まらない。「幻の秋華賞馬」と称されるレイパパレが、その評価に違わぬ大物ぶりを見せつけた。
11頭立てで行われた芝2000mのレース。前走は逃げて圧勝したレイパパレだったが、ハナを主張したジェネラーレウーノを行かせる形での2番手。1000m通過62秒というスローペースになると、4コーナーでは早くも先頭に並びかける積極策。残り200mで先頭に立つと、最後は2着ブラヴァスの追撃を振り切って重賞初制覇を飾った。
「結果こそ完勝でしたが、レース後に川田(将雅)騎手が『返し馬から気持ちが入り過ぎていた』とコメントしていた通り、レース前はやや入れ込み気味とキャリアの浅さを見せていましたね。レース中も、かなり力んで走っていたので、今後は距離が課題になりそうです。
しかしながら、川田騎手が『能力が非常に高いのは間違いない』と話していた通り、それでも勝ってしまうほどレイパパレの能力は底が知れません。
現状は2000m以下が良さそうですが、同世代の女王デアリングタクトとの対決を楽しみにしているファンも多いでしょうし、何とかリラックスして走ることを覚えて、中距離路線を歩めるようになってほしいですね」(競馬記者)
今年1月のデビューから3連勝したレイパパレ。秋には秋華賞(G1)に登録したが、残念ながら除外となってしまった。しかし、その代わりとして秋華賞のわずか40分前に同じ京都競馬場で行われた大原S(3勝クラス)に出走したレイパパレは、古馬を相手に2馬身差の完勝。
時計的にも非常に優秀で、ファンの間でもSNSなどで「タイムは秋華賞よりも優秀」「もし、秋華賞に出走していればデアリングタクトに迫ったんじゃないか?」「幻の秋華賞馬」といった声が上がり、条件馬としては異例のトレンド入りも果たした。
「返し馬から気が入りすぎて『お兄さんやお母さんの血が騒ぎ出したのかな』と思うくらいの雰囲気だったので、『何とか我慢させよう』と言い聞かせての道中でした」
レース後、川田騎手がそう振り返った通りレイパパレは、兄シャイニングレイ、母シェルズレイ共に高い能力を持ちながらも、常に気性面との戦いを強いられてきた一族だ。
特に兄シャイニングレイは2歳時にホープフルS(当時G2)を勝ち、クラシック候補の呼び声も高い存在だったが、次に重賞を勝ったのは1200mのCBC賞(G3)であり、高松宮記念(G1)でそのキャリアを終えている。
「もう少し穏やかに走れるよう、競馬を覚えていければ。無事に一歩一歩、コントロールが効いた中でのレースができていければと思います」
ここまで負けなしで3歳シーズンを終えたことからも、来年以降はG1制覇が目標となるレイパパレ。果たして、無敗の快進撃を続ける大器が向かうのは、デアリングタクトが待つ王道か、それとも……。