藤沢和雄調教師「やったー!」歓喜の1勝! 伏兵ラペルーズで新種牡馬ペルーサ産駒JRA初勝利「お父さんも、いい馬だった」マラドーナさんのナイスアシスト?
13日に中山競馬場で行われた7R・1勝クラスは、7番人気の伏兵ラペルーズ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が勝利。今夏に産駒がデビューした新種牡馬ペルーサにとっては、嬉しい産駒のJRA初勝利となった。
16頭立てのダート1800mのレース。中団の外目につけたラペルーズは、4コーナーでまくり気味に先頭集団の直後まで進出すると、最後の直線で外から力強い伸び脚。粘りこみを図った2着馬を交わすと、最後は2馬身半差をつけて完勝した。
レース後、「反応も良かったし、強かったですね」と鞍上の戸崎圭太騎手が相棒を評価。6月の新馬戦は芝で15着に大敗したが、そこから門別で2勝。再び中央の舞台に戻って、今回は再起を懸けた一戦だった。
「7番人気でしたが、強い競馬でしたね。ただ、戸崎騎手が『ちょっと返し馬から、フワフワしたところがあった』と話していた通り、発馬の際に隣の馬に迷惑をかけてしまうなど、まだまだ幼い面もあります。
ダート戦ながら、この時期の1勝クラスを勝てたことで今後の選択肢も増えますし、来年が楽しみな1頭になりますね」(競馬記者)
また、この勝利に「やったー!」と声を上げて喜んだのが、管理する藤沢和雄調教師だ。
師が「お父さんも、いい馬だったからね」と語る通り、ラペルーズの父ペルーサも藤沢厩舎の管理馬。天皇賞・秋(G1)2着など、あと一歩でG1制覇に届かなかった管理馬の子供だけに、厩舎としても力が入っているのだろう。
「初年度の種付け頭数が12頭しかいない産駒の1頭を預かっていることからも、藤沢調教師のペルーサに対する思いが窺い知れます。父のゼンノロブロイも藤沢厩舎の管理馬でしたし、現役時代は日本ダービー(G1)で2番人気に推されるなど、ファンの多かった馬。藤沢調教師としても思い出深い1頭でしょうね」(競馬記者)
また、先日にはペルーサの名前の由来でもあるサッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナさんが死去。「ペルーサ」はマラドーナさんの愛称であり、もしかしたら天国から背中を押してくれたのかもしれない。
2022年の2月で定年と、すでにキャリアの晩年に差し掛かっている藤沢調教師。2017年にはペルーサで果たせなかった日本ダービーを勝ち、すでに歴代2位の通算1500勝を超える押しも押されもせぬ名伯楽だが、この日の1523勝目は師にとっても特別な1勝となったようだ。