JRA武豊お墨付き馬が「シルバーコレクター」ぶり発揮!? 昇級初戦で通算「18度目」の2着!過去30年の最多記録更新にマジック「1」
2歳女王決定戦の阪神JF(G1)が開催された13日、準メインとして堺S(3勝クラス、ダート1800m)が行われた。
このレースを制したのは、4歳馬のタイサイ。2番手追走から、荻野琢真騎手の好騎乗に導かれ、2着に1.1/4馬身差をつけ、オープン入りを果たした。そのタイサイの2着に飛び込んだのが、小崎綾也騎手が鞍上を務めた7歳馬のカフジキング(牡7歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。昇級初戦ということもあり、7番人気に甘んじたが、好位から直線しぶとく伸びて、“定位置”の2着を確保した。
このレースが通算49戦目のカフジキング。2着は、これが実に18度目というシルバーコレクターだ。通算成績は「4-18-11-16」で、2着の数は着外(4着以下)をも上回っている。
さかのぼること2018年1月。前年の17年夏に1000万下(現2勝クラス)から500万下(現1勝クラス)に降級したカフジキングは、約1年2か月ぶりの勝利を挙げ、2勝クラスに再昇級を果たした。しかし、2度目の2勝クラスの居心地が余程よかったのか、勝ち上がるのに22戦、2年9か月を要した。その間、2着と3着がそれぞれ7回、4~5着も5回を数え、掲示板を外したのは僅か2回だけという安定感を誇り、コツコツ賞金を積み重ねた。
「(カフジキングは)2勝クラスで勝ちあぐねていましたが、スタートセンスが非常に良く、二の脚も使える器用な馬です。常に好位で立ち回れるレースセンスの高さが初の3勝クラスでも生きましたね。2年9か月ぶりの勝利を挙げた前走後には、手綱を取った武豊騎手も『上のクラスでもやれるんじゃないかな』と期待を口にしていたので、7番人気は過小人気だったのかもしれません。
2勝クラスで好走を続けていた時は、一部ファンから『賞金目当て?』という疑いまでかけられていたようです。それが昇級初戦でいきなり2着に好走したので、疑念が蒸し返されるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
2着が18回という成績は、中央ではほとんど記憶にない。稀代のシルバーコレクターと言われたステイゴールドですら、50戦して2着は12回だった。下のクラスを見ても、過去30年(1990年以降)の最多記録は、サイレントクルーズとエリモマキシムの18回(平地・障害を含む)。つまり、カフジキングはこの2頭に並んだことになる。
この2走の内容から、3勝クラスを勝ち上がるだけの実力はあるだろう。過去30年では最多となる19回目の2着を達成する前に勝ち上がるかもしれない。
堺Sで、730万円の賞金を加え、生涯獲得賞金は1億5700万円を突破。年が明けて、8歳を迎えるカフジキングの馬主孝行はまだまだ続く。