JRA朝日杯FS(G1)阪神「芝傾向」が土→日でまさかの大激変! モントライゼに苦戦必至のデータ浮上で、C.ルメール無双は完全終焉か……
20日、阪神競馬場では2歳マイル王決定戦、朝日杯FS(G1)が開催される。先月の京王杯2歳S(G2)で重賞初制覇を飾ったモントライゼ(牡2歳、栗東・松永幹夫厩舎)がC.ルメール騎手とのコンビでG1獲りを狙う。
15日現在、『netkeiba.com』では4頭が10倍を切る予想オッズを示している。2倍台前半で1番人気に予想されているのがレッドベルオーブ。それを4~6倍台でステラヴェローチェ、ドゥラモンド、そしてモントライゼの3頭が追う構図になっている。
おそらくこの4頭が本番でも“4強”を形成するだろう。この中では、モントライゼは1200~1400mのみを使われており、マイル戦は初出走。他の3頭はマイル戦に出走経験があるだけでなく、勝ち鞍も挙げている。
脚質に焦点を当てると、モントライゼはキャリア4戦すべてで先行している。2戦目の未勝利戦はスピードの違いで逃げる形となったが、ベストは前走(京王杯2歳S)で見せたような逃げ馬を前に見る2番手からの競馬だろう。
ちなみに、他の3頭は先行・差しの両方で結果を出しており、当日の阪神芝の傾向を見た上でどこからでも競馬ができるだろう。先行することが予想されるモントライゼは、他の3頭から格好の目標にされる可能性が高そうだ。
そこで先週(12~13日)の阪神芝の傾向を、土曜と日曜で分けてみると先行脚質のモントライゼには厳しいデータが浮かび上がった。
【12月12日(土)~13日(日)阪神芝コースの脚質別3着内頭数】
●土曜
逃げ/先行→11頭
差し/追い込み→7頭
●日曜
逃げ/先行→5頭
差し/追い込み→13頭
土曜の阪神芝は、前残りの傾向が強く、勝利を挙げた6頭中5頭、3着以内の18頭中11頭が逃げ/先行馬だった。ところが、翌日(日曜)になると傾向は一変し、差し馬の台頭が目立った。馬券圏内に好走した18頭中13頭が差し/追い込み馬で、僅か1日で馬場の傾向は激変した。
ただし、これはあくまでも先週の傾向。1週間たって変わる可能性もあるが、極端な前残りに戻ることはないだろう。さらに2番手追走が理想のモントライゼにとって、もう一つ不利なデータがある。
【12月12日(土)~13日(日)阪神芝コースの初角2番手成績】
●土曜「3-2-0-2」(7頭中5頭は、人気≧着順)
●日曜「0-0-0-6」(6頭すべて、人気≦着順)
脚質同様に、最初のコーナーを2番手で回った馬の成績も土日で大きく変貌を遂げた。土曜には複勝率71.4%あったが、日曜は6頭すべてが馬券圏外に沈み、人気を上回る着順に入った馬は皆無だった。
あくまでも4強の中での比較だが、上記2つの傾向から、自在性に欠けるモントライゼにとってプラスとは言い難い材料だ。
また、鞍上を務めるルメール騎手は、11月にG1・4勝を記録するなど無双ぶりを見せていた。ところが、チャンピオンズC(G1)でG1連勝が止まると、先週の阪神JF(G1)ではハナ差で惜敗。
“月”が替わり、“ツキ”まで変わってしまったのか……。暮れの大一番に向けて、再び“ツキ”を取り戻すためにも、モントライゼで好騎乗を見せたいところだ。