JRA武豊×エリザベスタワー「異次元の33.6秒」で圧巻デビュー!「とても乗り味がいい」独オークス馬の仔がノーステッキで完勝
19日、阪神競馬場で行われた5R・新馬戦は、2番人気のエリザベスタワー(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)が優勝。母に独オークス馬を持つ良血馬が、強烈なパフォーマンスで初陣を飾った。
18頭立てで行われた芝1600mのレース。ゲートこそまずまずだったエリザベスタワーだが、発馬直後にふらついて隣の馬と軽い接触。鞍上の武豊騎手も無理せず、後方からの競馬を選択した。
新馬戦らしいスローペースの中、エリザベスタワーは3、4コーナーでわずかにポジションを上げたものの依然後方12番手。しかし、最後の直線で外目に持ち出されると、そこからは脚が違った。粘りこみを図る先行勢を嘲笑うかのような“異次元”の末脚。あっさりと突き抜けると、最後は2着馬に1馬身1/4の差をつけて白星発進となった。
「レース後に武豊騎手が『スタートは少しゆっくりだった』と話していた通り、スタートでやや後手を踏みましたが、結局ムチを使っていませんし、ここでは力が違いましたね。上がり3ハロン33.6秒は、第2位に0.5秒差をつける圧倒的な切れ味でした。
父がマイラーのKingmanということで今回は1600mのデビューでしたが、母ターフドンナは独オークス(G1、芝2200m)の勝ち馬。武豊騎手も『いいリズムで走れた』と話していた通り、折り合いに不安がなさそうですし、母の父がサドラーズウェルズ系のDoyen(ドワイエン)ということからも、距離を伸ばしても面白い存在になりそうです」(競馬記者)
また、別の記者もエリザベスタワーのデビュー戦を絶賛している。
「最後の直線で舌を出したまま走っていましたし、まだ全然本気で走っていませんね。直線の入り口で外からテーオーロイヤル(3着)が被せてきて、一瞬進路が狭くなりましたが、力強く進路を確保した走りも印象的でした。
新馬戦なので今回の相手のレベルはわかりませんが、来年のクラシックを狙っていい馬だと思います。武豊騎手には2歳牝馬のお手馬に阪神ジュベナイルF(G1)でコンビを組んだメイケイエールがいますが、こちらは折り合いに問題を抱えており1600mが限界という馬。2400mのオークス(G1)には、この馬と挑んでいるかもしれませんよ」(別の記者)
「直線に向いて追い出してからの反応が良かった。とても乗り味がいい馬で楽しみですね」
レース後、そう勝ち馬を評価した武豊騎手。桜花賞にメイケイエール、オークスにエリザベスタワーとなれば、レジェンドジョッキーにとっても楽しみな春になりそうだ。