JRA横山典弘「天才」の直感!? ターコイズS(G3)2年連続の「最下位」回避も、重賞なき中京に住み着く「メインレース」の魔物
19日、中山競馬場で行われたターコイズS(G3)は、1番人気のスマイルカナが優勝。3番人気アンドラステとのハナ差の接戦を制した。
このレースで16着と敗れたのがトロワゼトワル。同コースの京成杯AH(G3)を連覇しながら、ターコイズSでは逆に、昨年に引き続き2年連続の「最下位」に終わった。
鞍上の斎藤新は昨年デビューしたばかりの新人騎手。前走までトロワゼトワルに騎乗していた横山典弘騎手は、これを察知したかのように中京競馬場で騎乗している。
この日、重賞があったのは中山競馬場のみで、通常であれば横山典騎手が継続して乗っていてもおかしくはなかったはず。それなのに中京競馬に参戦したというのは、勝算があってのことだろう。
横山典騎手が重賞のない中京競馬に参戦するのは2017年3月20日(月)以来のこと。この日の騎乗は3鞍あり、騎乗馬の質も揃っていた。
最初に騎乗したのが中京6Rで1勝クラスのストークダバノン(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。
兄のサウンズオブアースは、菊花賞(G1)、有馬記念(G1)、ジャパンC(G1)とG1で2着を3回。最強の2勝馬として、その時代を彩ったいぶし銀。弟の単勝オッズは2.9倍の1番人気であった。
16頭立てのレース。それほどいいスタートではなかったが、スッと好位の内につけたストークダバノン。直線では外に持ち出すと、ゴール前は計ったかのように差し切り勝ち。
次に騎乗したのは7Rのマテンロウエール(牡2歳、栗東・松永幹夫厩舎)で、6Rと同じ松永厩舎の管理馬だ。2歳の未勝利戦で、単勝1.9倍はこちらも1番人気であった。このレースもスタートは良くなかったが、馬を急かさずにインの2列目をとる横山典騎手らしい騎乗。直線では馬の間を抜け出し、リーブルミノルとのマッチレースを制した。
これで騎乗機会2連勝。お手馬のトロワゼトワルに騎乗しなかったのは、こういうことかと思うほどの順調ぶり。横山典騎手の思惑通りに、ことは進んだのではないだろうか。
最後のレースとなったのは、中京メインの有松特別(2勝クラス)。アカノニジュウイチ(牝3歳、美浦・尾関知人厩舎)は単勝1.8倍で、この日の騎乗馬で最も支持を集めた。
12頭立てのレース。ここまで完璧にこなしてきた横山典騎手であったが、ここで痛恨の出遅れ。最後方からの「ポツン」一人旅となったのだ。
そのままなら良かったのかもしれないが、後方を追走したアカノニジュウイチはかかり気味に外から進出。しかし、それを必死になだめようと横山典騎手は手綱を引っ張った。
最後の直線に入ると外から脚を伸ばすも、結果は前残りの決着。最速上がり34.1秒の脚を繰り出すも、6着に敗れた。
2017年3月20日に中京で騎乗した際は、メインレース夢見月S(OP)でディーズプラネットに騎乗。1鞍のみの騎乗であったが、3番人気ながら結果は12着と惨敗している。
重賞のなき中京。メインレースを勝利で飾れなかったのは、前回も同じだったようだ。