有馬記念(G1)オーソリティは「過剰人気」!? 圧倒的有利「3歳馬」も今年はトーンダウン……。3年前、キタサンブラックに屈したアノ馬より「不安大」

 27日、1年を締めくくるグランプリ・有馬記念(G1)が開催される。JRAで最も馬券が売れるレースであり、競馬ファンのみならず日本中が注目していると言っても過言ではないだろう。

 コントレイル、デアリングタクトという2頭の3冠馬は出走しないものの、G1馬8頭が出走する豪華レースとなりそうだ。

 馬齢別に有馬記念の成績を確認すると、過去10年で3歳馬が最多の5勝を挙げており、連対率、複勝率でもトップの成績を収めている。3冠馬不在とはいえ、好相性を誇る3歳馬を見逃すわけにはいかないだろう。

●過去10年の有馬記念の馬齢別成績(着順、勝率、連対率、複勝率)
3歳 [5-2-3-16/26] 19.2% 26.9% 38.5%
4歳 [1-6-2-35/44] 2.3% 15.9% 20.5%
5歳 [4-2-4-43/53] 7.5% 11.3% 18.9%
6歳 [0-0-1-14/15] 0.0% 0.0% 6.7%
7歳 [0-0-0-12/12] 0.0% 0.0% 0.0%
8歳 [0-0-0-4/4] 0.0% 0.0% 0.0%

 昨年は2着にサートゥルナーリア、3着にワールドプレミアと3歳馬が2頭も馬券圏内に入る健闘を見せた。過去10年で馬券に絡まなかったのはわずか2回と、3歳馬というだけで買いとも言えそうだ。

 今年は3歳馬からバビットとオーソリティの2頭が出走を予定しているが、上位人気に支持されるのはオーソリティ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だろう。

 青葉賞(G2)を2:23.0のレコードタイムで優勝したオーソリティ。日本ダービー(G1)の優先出走権を獲得するも、レース後に骨折が判明して無念の出走断念となった。本番でコントレイルの勝ち時計が2:24.1だったことから、ファンの間では「もしオーソリティが出走していれば……」という声も上がった。

 復帰初戦となるアルゼンチン共和国杯(G2)は初の古馬対戦となったが、先行押し切りの横綱相撲で快勝。大外枠の発走にもかかわらず、2着に1馬身半差をつける走りは能力の高さを証明する内容だった。

 オーソリティは3歳世代を代表するには十分な実績の持ち主だが、不安材料もあることを忘れてはならない。

 過去10年の有馬記念で3歳馬が馬券に絡まなかったのは13年と17年の2回。前者はクラシックを賑わせた馬が未出走で、出走したのが14、15、16番人気と期待薄の3頭だったことから妥当な結果と言える。

 だが、17年は2番人気スワーヴリチャードが馬券圏外に沈んでいる。

 アルゼンチン共和国杯を優勝して有馬記念にコマを進めたスワーヴリチャード。日本ダービーは2着に敗れたものの、勝ったレイデオロは超スローペースを察知したC.ルメール騎手が向こう正面で早仕掛けをするという好騎乗があったため、負けてなお強しの内容である。

 有馬記念では打倒キタサンブラックの筆頭に見られたが、結果は古馬の壁に跳ね返される4着に終わった。

 同じく3歳でアルゼンチン共和国杯を制し、有馬記念に出走するオーソリティにとって嫌なデータである。

 さらに、アルゼンチン共和国杯でスワーヴリチャードが背負った斤量が56キロだったのに対して、オーソリティは54キロ。オーソリティのアルゼンチン共和国杯は斤量に恵まれたという見方もでき、有馬記念では危険な人気馬なのかもしれない。

 果たして、3歳代表のオーソリティはこの不吉なデータを覆すことが出来るだろうか。

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