有馬記念(G1)武豊「ウイニングラン」も残酷な結末! スペシャルウィーク、グラスワンダーが激突した1999年…… 最強世代の意地を懸けたラストバトル

 それぞれの鞍上の表情は異なっていた。笑顔でガッツポーズを何度も繰り返した武豊騎手と敗戦を覚悟したかのような重い表情の的場騎手。勝利を確信した武豊騎手はウイニングランで歓声に応え、ファンからは「ユタカコール」も聞こえ始めた。

 しかし、写真判定の結果、ゴールの瞬間だけグラスワンダーがハナ差で凌いでおり、スペシャルウィークはまたしても2着に敗れてしまった。同着にしてもいいのではといった声も出た名勝負。勝者と敗者に分かれてしまったのは残酷かもしれない。

 勝ち時計2分37秒2という遅さも、2頭がいかに抜けた存在だったのかを示している。同日のグッドラックハンデ(2勝クラス・芝2500m)は同じ距離で2分35秒8と、G1の有馬記念より1秒4も速い決着だった。そんな超スローながらも後方からまくった2頭が一騎打ちを演じたのだ。

 圧倒的に前にいる馬が有利な展開ながらも、まるで2頭以外出走していなかったかのようなマッチレースを繰り広げたことにも驚かされる。

 しかも、3着馬は翌年から無敵の快進撃をするあのテイエムオペラオーでもあった。後の7冠馬ですら、このときは脇役の1頭に過ぎなかった。

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