JRA北村友一「一年の計は金杯にあり」を“逆”証明!?「1月0勝」大出遅れに川田将雅からの叱咤……どん底から這い上がった2020年
2020年、JRA最後のG1レースとなった有馬記念(G1)は、1番人気のクロノジェネシスが3コーナーで先頭集団に取つくと、直線で力強く抜け出して快勝。まさに横綱相撲といえる内容だった。
鞍上は、デビューから全てのレースで手綱を取る北村友一騎手。年が明け、良い流れそのままに自身の結婚も発表しており、競馬でも良いスタートを切りたいところだろう。
5日行われる京都金杯(G3)では、レッドガラン(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)に騎乗予定。昨年の京都金杯では、レッドガランと同じ安田厩舎のダイアトニックに騎乗したが2着に惜敗しており、今年はしっかりと勝ち切りたいところだ。
昨年の初日は1番人気に4回騎乗するも、2着3回と勝ち切れず勝利を逃した北村友騎手。年明けの悪い流れを断ち切れぬまま、1月は「0勝」と冴えない騎乗が続いた。
3月には、京都金杯でも騎乗したダイアトニックに再び騎乗。しかし、ゴール前で斜行するアクシデントがあり降着となっている。
「昨春の阪急杯(G3)ですね。ダイアトニックに騎乗した北村友騎手がゴール直後、不利を受けた川田将雅騎手に『ユーイチ!!』と怒声を上げられ叱咤されたのは、ファンの間でも大きな話題になりましたね。
続く高松宮記念では、不利を受ける側に……。あくまで北村友騎手は被害者ですが、レース後に元JRA騎手の安藤勝己さんが『不利がなければ勝っていた』と言っていたように惜しい競馬でした」(競馬記者)
度重なる不運に見舞われた北村友騎手は、昨年4月終了時点でわずか8勝。一昨年は同時期に24勝を挙げていたことを考えれば、もの足りない成績だったといえる。
流れがじょじょに上向き始めたのは5月。平安S(G3)のオメガパフュームで、この年2勝目となる重賞勝利。ひと月で8勝を挙げ、翌月の宝塚記念(G1)ではクロノジェネシスでこの年最初となるG1勝利を飾った。有馬記念でも勝利したクロノジェネシスは、春秋グランプリ連覇を達成している。
昨年、最初に騎乗した重賞・京都金杯では松山弘平騎手に前で押し切られたが、有馬記念では逆に松山騎手の追い込みを凌ぎ切っての優勝。良い形で一年を締めくくったといえるだろう。
昨年序盤の嫌な流れを断ち切り、良い流れを取り戻した北村友騎手。今年の京都金杯で騎乗するレッドガランも「前回よりもピリッとして反応もいい」と前走からの上積みを感じとっているようだ。
競馬ファンの間では「一年の計は金杯にあり」などといわれるが、果たして北村友騎手はレッドガランで好スタートを切れるのだろうか――。昨年の勢いであれば、年明け早々からの重賞制覇も期待できそうだ。