JRA松山弘平「価値ある1勝」の伏線回収。中山金杯(G3)ヒシイグアスに続いて、最終レースでもアノ厩舎とタッグ結成
年始からの勝ち星量産に心強い味方となりそうだ……。
昨年ブレイクした騎手といえば、松山弘平騎手の名前が真っ先に挙がるだろう。デアリングタクトとのコンビで牝馬3冠を達成。また、キャリアハイの127勝で全国リーディング4位に入るなど、飛躍の年となった。
そして、特筆すべきは騎乗回数の多さはである。昨年は918回で全国1位。一昨年に2万回騎乗を達成し、武豊騎手の持つJRA最速記録を更新した幸英明騎手の907回を超えているのだ。
これは騎乗技術の高さから、騎乗依頼が集まった結果だろう。さらに期待に応えることで、次の依頼に結びついている。そして、制裁の少ないクリーンな騎乗も後押しとなっているはずだ。
1日に10鞍騎乗することも珍しくない松山騎手。今年の開催初日となる5日は中山競馬場で7鞍を予定している。昨年は平均9鞍/日をこなしていたことを考えれば、少なく感じるかもしれない。だが、栗東所属のため、関東圏で7鞍を確保しているのはむしろ評価すべきだろう。
そして、メインレースの中山金杯(G3)で関東馬のヒシイグアス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)に騎乗することは更なる飛躍を予感させる。
前々走までヒシイグアスの鞍上を務めてきたのはすべて外国人ジョッキーだった。だが、11月のウェルカムS(3勝クラス)で松山騎手と初コンビを組み、見事に優勝。これをきっかけに主戦の座を勝ち取る形となったのだ。
「堀調教師といえば、外国人騎手を寵愛していることで有名です。日本人では石橋脩騎手を起用する傾向にありますが、C.ルメール騎手とM.デムーロ騎手が多く騎乗している印象があります。
ヒシイグアスの前走は前述の騎手が埋まっているか、裏開催にいるという事情から松山騎手に騎乗依頼がありました。このチャンスに価値ある1勝を挙げたことで、継続騎乗を勝ち取ったといえそうですね。他にも、11月7日に騎乗した5番人気サトノセシルで2着に好走したというのもアピールになったはずです」(競馬記者)
さらに松山騎手は12Rで堀厩舎のヴィクターバローズと初コンビを組む。
「今回、堀厩舎は中京、中山にそれぞれ管理馬を2頭ずつ送り込みます。中京はいずれも石橋脩騎手、中山は松山騎手が手綱を取ることになりました。このことからも、今後は松山騎手への騎乗依頼が増えることになりそうですね」(同)
関東の名門・堀厩舎と急接近している松山騎手。これは有力馬の確保につながるため、今後の活躍に大きな味方となりそうだ。
トップジョッキーの仲間入りを果たし、堀厩舎の信頼も勝ち取ったとなれば、松山騎手の快進撃はまだまだ続くだろう。