JRA川田将雅メインレース不参加「極上3鞍」も未勝利の大誤算……。C.ルメール“正月休み”のチャンスをものにしたのはアノ騎手
4日、2020年度JRA賞の調教師、騎手部門の受賞者がJRAのホームページで発表された。
調教師部門は「最多勝」「最多賞金獲得」「優秀技術」の3部門を矢作芳人調教師、「最高勝率」を友道康夫調教師が受賞。騎手部門は「最多勝」「最多賞金獲得」「MVJ」の3部門をC.ルメール騎手、「最高勝率」を川田将雅騎手が受賞した。
日本人騎手としてリーディング獲得を目標に掲げていた川田騎手だったが、勝利数、獲得賞金はともにルメール騎手に次ぐ2位に敗れた。勝率ではトップに立ち面目を保ったものの、勝利数、勝率、獲得賞金、騎乗回数のポイントから算出されるMVJ部門においては、ルメール騎手だけでなく、松山弘平騎手にも上位を譲る3位という結果に終わった。
今年こそとリーディング奪取に意気込んでいる川田騎手にとって、朗報となったのがルメール騎手の“正月休み”である。
例年、年末年始は海外で過ごしているルメール騎手だが、今年はコロナ禍ということで海外渡航ができず日本に滞在。そのため、金杯開催日に騎乗するのではないかと注目が集まった。しかし、5日は乗鞍ゼロの全休となり、川田騎手にとっては初日からライバル不在のチャンスが訪れたのだ。
ただ、5日の川田騎手は中山競馬場でわずか3鞍の騎乗にとどまった。
「栗東所属の川田騎手がメインレースに乗るわけでもないのに、中山競馬場で騎乗しました。あくまで憶測ですが、当初は中山金杯(G3)でガロアクリークに騎乗する予定でしたが、同馬はレースを回避したため、メインレースの騎乗馬なしという事態になったのかもしれません。
それでも、3鞍の内訳は1番人気2頭、3番人気1頭という豪華ラインアップだったんですが……」(競馬記者)
2Rで騎乗した1番人気アメリカンエールは好位からの競馬で押し切りを図ろうとするも、鋭く伸びた6番人気ロングランの末脚に屈して2着。3Rの3番人気ステイホームバブルは2番手からレースを進めるも、最後の直線でズルズルと後退していき7着に敗れた。
そして最後の1鞍となった6Rは1番人気ビップランバンに騎乗。これまでデビューから4戦すべて川田騎手が手綱を取ってきたお手馬である。レースは逃げるバニシングポイントから離れた2番手の位置取りを確保し、最後の直線で一時は先頭に立った。しかし、外から襲い掛かる後続に交わされて8着に惨敗した。まるで、3Rの再現かの内容となってしまった。
その一方、松山弘平騎手は中山金杯を含む3勝の大活躍。ルメール騎手不在のチャンスをものにしたのは、MVJ部門で川田騎手を上回った期待の若手騎手という結果に終わった。
苦難の船出となった川田騎手……。今週末からの巻き返しに期待したいところだ。