JRA中山金杯(G3)「15kgリバウンド」ヒシイグアスが重賞初制覇! 謎の体重大幅増減に惑わされたファンから悲鳴も?
2021年のJRAは5日(火)の東西金杯で幕を開けた。
今後の芝中距離路線を占う中山金杯(G3)は、1番人気のヒシイグアス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が勝利。重賞3度目の挑戦で初タイトルを獲得した。
もともと、2016年のセレクトセール当歳市場で1億476万円(税込)で落札された期待馬だったヒシイグアス。3歳時はクラシック出走が叶わず、じっくり裏街道を歩んできた。
昨年4月に2勝クラスを勝った後、7か月の休養を挟み、11月には3勝クラスも突破。今回は54kgという軽ハンデも生かし、一気の3連勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
昇級初戦にもかかわらず1番人気に支持されたヒシイグアス。実はレース2日前の“ある数字”が注目されていた。
それが、3日夕方にJRAから発表された調教後の馬体重だ。G1ではおなじみだが、今年はG1以外で発表されるのはG3の東西金杯だけだ。
3日夕方、JRAのホームページに掲載されたヒシイグアスの調教後馬体重は481kg。これは前走のウェルカムSからなんと「13kg」も少ない数字だった。
通常、調教後馬体重は前走時より10kgほど増えていることが多い。減っているとしても数kgということがほとんどだ。発表後に輸送などを経て、帳尻を合わせるように10kg前後減らしてくることが一般的だ。
そのため、前走を下回るヒシイグアスの調教後馬体重に不安を覚えたファンも多かっただろう。何せ、これまでで最も軽い482kg(3歳時のスプリングS)をも下回っていたからだ。
「この数字(調教後馬体重)を見たときは調整に失敗したのではと疑問を抱きました。当日までにどこまで戻せるか注目していましたが、なんと発表された馬体重は『496kg』。
これは前走から2kg増で、2日前の調教後からは15kgも増えていたのです。馬は体重の変動が大きい動物ですが、僅か2日で15kgも増やしてきたことには正直驚きました。この2日間の馬体重の変動に惑わされ、ヒシイグアスを軽視したファンもいたのではないでしょうか。恥ずかしながら私もその一人だったので……(笑)」(競馬誌ライター)
何はともあれ、ヒシイグアスは自己最高馬体重に迫る雄大な馬体で見事な勝利を収めた。
この大幅増減は陣営にとって想定内だったのか、それとも2日間でうまくリカバーしたのか。いずれにせよ、堀厩舎の手腕が光った結果の重賞制覇と言えるだろう。