JRAお手馬「大量離脱」でルメール帝国崩壊!? フィエールマン電撃引退で待ったなし…… 「強奪」被害にライバルも戦々恐々
6日、JRAから2020年度JRA賞競走馬部門の記者投票集計結果が、JRAのホームページで発表された。
史上初の芝G1・9勝を挙げたアーモンドアイをはじめ、同馬に完勝した安田記念以外にも秋のスプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を制したグランアレグリア。さらに同年度に牡牝で無敗三冠となったコントレイル、デアリングタクト、宝塚記念(G1)と有馬記念(G1)と春秋グランプリ制覇したクロノジェネシスもおり、近年稀に見る大混戦となることが予想されていた。
なかでも最も注目が集まったのはアーモンドアイ、コントレイルのどちらが年度代表馬に選ばれるかだっただろう。直接対決となったジャパンC(G1)ではアーモンドアイが勝利したものの、コントレイルは無敗で牡馬三冠を制した。過去、牡馬で三冠を取った馬が同年の年度代表馬となれなかった前例はなく、コントレイルを推す声も強かった。
しかし、283票中236票がアーモンドアイ、44票がコントレイルと意外な大差で決着。牝馬が牡馬を圧倒した1年を象徴する結果といえるだろう。
目を引いたのはC.ルメール騎手のお手馬が多数候補に挙がっていたことである。最優秀4歳以上牡馬に選ばれたフィエールマン、最優秀4歳以上牝馬のアーモンドアイ、最優秀短距離馬のグランアレグリア以外でも、エリザベス女王杯(G1)を制したラッキーライラック、フェブラリーS(G1)優勝のモズアスコットもおり、G1・8勝の原動力となった。
その一方で多数がターフを去り、今年も現役続行が予定されているのはグランアレグリアのみ。牡馬の有力候補だったフィエールマンは脚元に不安が出たため電撃引退、種牡馬入りが発表された。
この結果、G1・8勝中6勝を荒稼ぎしたパートナーが大量離脱することになり、昨年G1で2勝を挙げたグランアレグリアが頼みの綱となりそうだ。
「菊花賞(G1)でコントレイルを追い詰めたアリストテレスがいるとはいえ、フィエールマンを失ったのはルメール騎手にとって痛恨でしょう。グランアレグリアを管理する藤沢和雄調教師は、距離延長を仄めかすコメントを出しました。そのため、今年はマイルから2000mあたりの条件に使われる可能性も考えられます。
ですが、他のお手馬にはサートゥルナーリアやサリオスなどがいるとはいえ、昨年のラインアップに比べるとスケールで見劣る印象が否めません。クロノジェネシスやコントレイル、デアリングタクト相手では分が悪そうです」(競馬記者)
年明け3歳世代にはオーソクレースとサトノレイナスがいるものの、いずれも2歳G1で2着と敗れたように抜けた存在ではない。このままグランアレグリア頼みの1年となってしまうのか、それとも乗り替りで新たなパートナーとコンビ結成することになるのか。
有力馬に騎乗しているライバル騎手は、いつ飛び出しても驚けない陣営からの非情な乗り替り宣告に戦々恐々としているかもしれない。