JRA川田将雅「不幸中の幸い」武豊からのチャンス活かせず「まだ0勝」もライバル不調で泥仕合!? 先行きが危ぶまれるリーディング獲得への道
9日、中京競馬場で行われた淀短距離S(L)は、3番人気のトゥラヴェスーラが優勝。武豊騎手から乗り替わった池添謙一騎手が勝利を飾った。
武豊騎手はこの日7レースへの騎乗を予定していたが、突発性の腰痛で騎乗を断念。病院では「3日から5日の安静が必要」と診断されたとのことで、騎乗馬は全て別の騎手へ乗り替わりとなっていた。
その内、3レースでの騎乗を任された池添騎手であったが、3頭中2頭を人気以上に走らせ馬券圏内を確保。メインレースではシッカリと勝ち切り、「代打職人」の異名がダテではないことを証明して見せた。
一方、この絶好のチャンスを活かせなかったのが川田将雅騎手。武豊騎手からの乗り替わりでは鳥羽特別(2勝クラス)と濃尾特別(2勝クラス)の2レースで騎乗したが、鳥羽特別のウォーターエデンは3番人気ながら4着、濃尾特別のセランに至っては1番人気ながら14着と人気を裏切る結果になった。
JRA開幕初日となった5日は中山競馬場で3レースに騎乗したが、8着、7着、2着。巻き返しを期した9日であったが、6レースに騎乗して最高が4着と馬券圏内にも絡むことができなかった。メインレースの淀短距離Sでも1番人気のジョーアラビカに騎乗したが12着に惨敗。今年はこれまで1勝も挙げられず、先行きが危ぶまれる状況だ。
昨年は11月までG1勝利のなかった川田騎手だが、朝日杯FS(G1)のグレナディアガーズ、ホープフルS(G1)のダノンザキッドで12月に2勝を飾り猛チャージ。年が明け、幸先の良いスタートを切りたいところだったが、ホープフルS以降16連敗と完全にその勢いは途絶えてしまっている。
昨年はC.ルメール騎手の204勝に次ぐ167勝を挙げリーディング2位となった川田騎手。「37勝」の差を埋めるためには序盤から勝ち星を積み上げたいところであったが、チャンスをものにすることができなかった。
ただ、川田騎手にとって助かったのは、9日に中山競馬場で騎乗したルメール騎手も未勝利に終わったこと。2019年度JRA賞の授賞式で「今年こそはルメールさんに勝って、この壇上のセンターに立ちたい――」と語った川田騎手には、まさに「不幸中の幸い」となったのかもしれない。
昨年の上位2騎手が0勝スタートと泥仕合の様相を呈しているが、10日からの巻き返しに期待したいところだ。